台湾の国家災害防救科技中心との
共同研究覚書締結について(報告)
(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)
締結式では、最新の研究動向について相互に紹介を行った後、分野横断的な連携、地方公共団体や一般市民への情報提供の重要性について、活発な意見交換を行いました。今後は本MOUの下、科学的な知見の共有や研究協力を行っていきます。
1. MOU締結の背景と目的
日本と台湾は、ともに東アジアの湿潤な気候のもとで、台風、洪水、暑熱などの厳しい自然環境にさらされています。近年、気候変動の影響による大雨、暑熱、農作物の収穫量への影響が顕著になり、今後、これらの影響がさらに深刻化することが予測されています。また、NIESとNCDRは、それぞれ気候変動適応法(日本)とClimate Change Response Act(台湾)の下で気候変動適応に関する情報を収集、発信する役割を担っています。このため、日本と台湾の双方において、将来の気候や社会経済の予測に基づいて、気候変動への適応に向けた取り組みや協力を強化することが重要となっています。
こうした状況を踏まえ、NIESとNCDRはMOUを締結し、知見の共有やセミナー等の双方向の議論を通じて、これら課題の解決に貢献するための協力を促進していくこととしました。
2. MOUの内容
(1)目的
災害リスク管理と気候変動への適応に向けた協力を促進し、科学的根拠に基づく意思決定を支援する科学的能力を向上させ、社会における行動を促進することであり、MOUの目的には、以下の内容が含まれる。 ・科学的な知見(資料、出版物、情報)の共有 ・研究面での協力
(2)連携・協力の内容
・セミナーやワークショップの開催 ・将来の共同研究から生まれる知的財産の共有 ・双方の研究者の協力
(3)期間
締結から5年間有効とする。
3. 今後の展望
締結式では、分野横断的な連携、地方公共団体や一般市民への情報提供の重要性について、活発な意見交換を行いました。今後も両機関で定期的にセミナーを実施し、情報交換を密に行っていくことにより、具体的な共同研究に発展することが期待されます。また、抱える背景や地理的にも近い日本と台湾の気候変動適応を扱う研究機関がこのような交流の場を持つことで、緊密な連携関係が構築され、将来新たに課題が生じた際に、両機関にとどまらず、国際的にもより的確な政策提案を行うことなどが期待されます。
4. 問合せ先
【研究に関する問合せ】
国立研究開発法人国立環境研究所 気候変動適応センター
気候変動適応戦略研究室 室長 真砂 佳史、研究員 大山 剛弘
【報道に関する問合せ】
国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
kouhou0(末尾に”@nies.go.jp”をつけてください)