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自然と人類の共生へ—正念場の十年を迎えて

写真:理事長 木本 昌秀

 国立環境研究所は、社会とその変化や、国民のみなさまとの関係の深い課題を研究しています。1974年に国立公害研究所としてその歴史を開始し、1990年にはより広範化した環境問題を扱うこととして国立環境研究所と名称を変更したことでもそのことはわかります。ここ数年は、国内的にも国際的にも頻発する気象災害と気候変動の関係が大きな話題になり、政府も気候変動への適応やカーボンニュートラルの実現を宣言しています。これからの10年は、これらの目標を実現し、新しい社会を構築するための大変重要な正念場となりましょう。研究所は、このような大きな動きに関係する多くの課題について研究を進め、政府や国民のみなさまの意思決定の根拠となる科学的知見を提供することを使命としています。
 国立環境研究所では、今年度より新たな5か年の中長期計画を開始しました。これまでの実績を踏まえつつ、新たな要請にも答えるべく研究分野の再編成を図り、また、重点的に取り組むべき課題として、8つの戦略的研究プログラムを設定して、従来の個別分野を超えた連携により、統合的に研究を推進してゆきます。また、研究部門だけでなく、研究を支援する企画・支援部門も体制を新たにし、発信力強化や対外連携推進、情報化対応等を強化してゆきます。
 重要な正念場である今後10年に向けて新たな目標と体制で研究を進めてゆきます。当研究所の人員や能力は決して十分なわけではありませんが、国内国外の関連研究機関や、自治体等のみなさんとの協力、連携を大いに活用させて頂いて、大きな目標に向けて進みたいと思います。みなさまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

国立研究開発法人国立環境研究所 
理事長 木本昌秀