韓国の国立環境研究院との共同研究覚書締結と
意見交換セミナー開催について(報告)
(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)
セミナーでは、相互に研究を紹介し、焼却灰やプラスチック廃棄物のリサイクルのほか、廃棄物の適正管理に関する新たな研究の可能性について、活発な意見交換を行いました。今後は本MOUの下、相互協議を重ね、政策形成に向けた情報交換を行うことに合意しました。
1. MOU締結の背景と目的
日本と韓国は、いずれも鉱物資源の多くを輸入に頼っているため、自国内での資源循環を促進することにより貴重な資源を自ら確保していく取組みを強化することが重要な課題となっています。その中で、最終処分されている廃棄物には貴金属をはじめとする多くの資源が含有されていることが、近年、明らかになってきました。また、最終処分場の新規建設が困難な状況の下で、その延命化を図ることも両国の大きな課題となっています。
そこで、NIESとNIERは、両国の課題と取り組んでいる研究内容を共有し、意見交換を重ねることにより、上記課題の解決に資する研究に発展させることを目指して、セミナーをはじめとした相互協議を重ねるためのMOUを締結しました。
2. 協定の内容
(1)目的
廃棄物リサイクル等の観点から政策形成に関する提言を行うことを視野に、情報交換および共同研究に関する相互協議を行う。
(2)連携・協力内容
1.技術情報・資料の交換 2.専門家の相互交流、教育プログラム、廃棄物管理に関する政策立案のための測定・分析・評価の研修 3.廃棄物管理に関する政策立案のための共同研究および協力 4.関連施設の相互訪問 5.廃棄物管理に関連する両国間の比較に関する共同年次報告書の作成 6.相互利益、平等、互恵の原則に基づく協力のためのその他の活動
(3)期間
2024年3月19日(火)から2029年3月31日(土)まで(以降、両当事者の合意により延長予定)
3. 意見交換セミナー
MOU締結を機に、2024年3月19日(火)にNIERの担当研究者が来日し、NIESを訪れました。
当日は、今後の共同研究に向けて、循環・廃棄物研究棟の施設見学を催行し、実験プラントや研究の様子を紹介しました。その後、NIESの資源循環領域大迫領域長とNIERの環境資源研究領域(Environmental Resources Research Department)チョン・テワン(Tae-Wan Jeon)領域長が署名したMOUを手に記念撮影を行いました。
記念撮影後は、担当研究者がそれぞれの研究について発表し、今後の共同研究に向けての情報交換を行いました。
4. 今後の展望
意見交換セミナーでは、焼却飛灰やプラスチック廃棄物など、両国が抱える具体的な課題について情報を共有しました。今後も両国で定期的にセミナーを実施し、情報交換を密に行っていくことにより、具体的な共同研究に発展することが期待されます。また、抱える背景や地理的にも近い両国の廃棄物・資源循環分野の研究機関がこのような交流の場を持つことで、緊密な連携関係が構築され、将来新たに課題が生じた際に、国内だけでなく国際的にも、より的確な政策提案を行うことなどが期待されます。
5. 発表者
本報道発表の発表者は以下のとおりです。
国立環境研究所
資源循環領域
領域長 大迫 政浩
資源循環領域 試験評価・適正管理研究室
室長 肴倉 宏史
資源循環・廃棄物研究国際支援オフィス
オフィスマネージャー 石垣 智基
係員 田山 愛華
6. 問合せ先
【研究に関する問合せ】
国立研究開発法人国立環境研究所
資源循環領域 試験評価・適正管理研究室
室長 肴倉 宏史
資源循環・廃棄物研究国際支援オフィス
オフィスマネージャー 石垣 智基
係員 田山 愛華
Intwaste_ra(末尾に”@nies.go.jp”をつけてください)
【報道に関する問合せ】
国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
kouhou0(末尾に”@nies.go.jp”をつけてください)