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2017年1月12日

「『世界の屋根』から地球温暖化を探る ~青海・チベット草原の炭素収支~」
国立環境研究所「環境儀」第63号の刊行について(お知らせ)

(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ同時配付)

平成29年1月12日(木)
国立研究開発法人国立環境研究所
 編集委員会委員長  :三枝 信子
 〃 担当WGリーダー :石濱 史子
 〃 事務局(環境情報部情報企画室)
    室長    :阿部 裕明
    担当    :川尻 麻美

 国立環境研究所は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」の最新号、「『世界の屋根』から地球温暖化を探る~青海・チベット草原の炭素収支~」を刊行します。
 陸域生態系は、生育している植物の種類によって、森林、草原、農地などに分類でき、森林は温暖化の主要因である大気中の二酸化炭素の吸収源として期待されています。しかし、森林とほぼ同じ面積を占める草原での吸収能力についてはこれまであまり把握されていません。そこで本号では、地球上最も広大な草原が広がるユーラシア大陸の中で最も標高が高く、地上の「秘境」とも呼ばれる青海・チベット草原に着目し、さまざまな角度から展開された温暖化関連研究を紹介します。特に、青海・チベット草原生態系の炭素収支の重要性、そして土壌への炭素蓄積を含む生態系への温暖化影響の長期モニタリング研究について、担当研究者へのインタビューなどを通じて解説します。

1 本号の内容

○Interview 研究者に聞く「草原の炭素の動きを探る」

 森林や草原などの陸域生態系に蓄積されている炭素の量は、大気中にCO2として存在する炭素の約3倍と多く、わずかな変動でも大気のCO2に大きな影響を及ぼすと考えられています。インタビューでは、中国南西部にある青海・チベット草原の炭素蓄積量やその動態を調べ、地球温暖化との関連を探る研究について紹介します。

<研究担当者>

  • 唐 艶鴻(たん やんほん)
    生物・生態系環境研究センター
    環境ストレス機構研究室 主任研究員

○Summary「青海・チベット草原から地球温暖化を探る」

No.63表紙

 草原の土壌中には多くの炭素が蓄積しており、微生物などの呼吸によって土壌炭素が分解されCO2として大気中に放出されれば、温暖化を加速させる恐れがあります。一方、標高が高い地域では温暖化による気温の上昇幅が大きくなるため、影響も大きくなることが予想されます。

 青海・チベット草原は標高が高いうえに面積も広く、土壌炭素がたくさん蓄積されていることから、温暖化による影響や温暖化への影響も大きいと予想されます。青海・チベット草原での土壌炭素の蓄積量や炭素収支、生態系影響の長期的な観測について紹介します。

○研究をめぐって「草原生態系における温暖化研究の動向」

 森林は陸域の炭素収支や生物多様性の保全などの地球環境問題に対して重要な役割を果たしているのではないかと考えられてきましたが、世界の陸域を見れば森林に匹敵する面積を持つ草原も地球環境に対して一定の役割を果たしている可能性が高いと考えられます。

 地球温暖化に草原がどのように関与しているか、近年の草原生態系のおける温暖化研究の動向について紹介します。

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