環境の研究
私たちと話しませんか
国立環境研究所で行われてきた様々な研究内容を皆様に紹介してきました。少し難しいものも、あまり身近ではない分野のものもあったかもしれません。でも、研究所ではいろいろやっているなあ、ということがわかっていたければ、研究の意義の一端をお伝えできたということになります。
たとえば生物の多様性に関する研究というと、絶滅しかかっている動植物を守る研究や貴重な環境が残っている場所を保護するだけかと思うかもしれませんが、外国から侵入してくる生き物や遺伝子を組み換えた生き物が環境に影響を及ぼすのかどうかについても考えなければなりません。
また、地球温暖化によって将来、最悪の場合平均5℃以上も気温があがる可能性があるという話は、今後の国際社会が進む方針にも左右されるし、地域によって平均よりもっと温度が上がるところもあります。そういう状況で、私たちが今後どうすれば良いのかを判断するには情報が不足しており、それを明らかにしていく研究が必要なのです。
われわれが先祖から引き継いてきた地球の環境には、現代科学の力でもわからないことがたくさんあります。昔の人はそのような、未知の力を持つけれども私たちの生活を支えてくれる地球の環境を畏敬(いけい)の対象とし、ときに信仰の対象として大事にしてきました。
しかし現代の科学技術は、その環境を変えてしまうほどの力を持ったことも事実です。自然環境が畏敬の対象であることは今でもまったく変わりがありませんが、私たちは環境を使わせていただく以上、それについてもっと知ろうとしなくてはなりませんし、科学の目がそれをサポートしてくれるはずです。
環境研究を進めていくためには、皆さんの理解が必要です。私たちも、どうしてこの研究が必要なのか、何をお伝えしたいのか、よく考えたうえで研究を進めていくことが大事だと考えています。
その一環として、毎年、春と夏の土曜日に1回ずつ国立環境研究所つくばキャンパスの公開日を設けています。この日は、研究者とそれを支える職員が総出となり、研究の成果をわかりやすく伝えるイベント、体験プログラム、講演などを通じて、皆さんとお話することができます。
是非、私たちの研究所に来て、職員と環境の未来について意見交換してください。今年は4月22日(土)、7月22日(土)に研究所公開予定です。
【企画・広報室 研究企画官 広兼 克憲】
- 研究最前線
- ふしぎを追って
- 市民と研究者と環境
- 私たちと話しませんか「環境の研究」
- 生物多様性(6)「国道沿いに咲くアブラナ」
- 生物多様性(5)「日本の自然は侵入種だらけ」
- 生物多様性(4)「ダムによる河川の分断の影響」
- 生物多様性(3)「レッドデータブックを知ってますか?」
- 生物多様性(2)「珍しい生き物ってどんな生き物?」
- 生物多様性(1)「大陸移動で生じた?」
- 越境する大気汚染(4)「広域大気汚染のシミュレーション」
- 越境する大気汚染(3)「黄砂を計る」
- 越境する大気汚染(2)「酸性雨の話」
- 越境する大気汚染(1)「広域大気汚染と観測」
- 魚類生息地ポテンシャルマップ「魚の棲みやすい川を考える」
- 水と土(3)「東京湾の現状、増水と影響」
- 水と土(2)「水処理技術、うまく生かせるか?」
- 水と土(1)「黒ボク土 人が作った土?」
- オゾン層(4)「南極でのオゾン破壊はなぜ?」
- オゾン層(3)「人工衛星がとらえた推移」
- オゾン層(2)「20年で進んだ破壊」
- オゾン層(1)「何がおきているか調査」
- ゴミ(7)「PCBをなくす」
- ゴミ(6)「再生品の安全性を考える」
- ゴミ(5)「リサイクル社会の身近な循環技術」
- ゴミ(4)「水素エネルギーを作り出す」
- ゴミ(3)「処分後に土に還るのか?」
- ゴミ(2)「不法投棄を空から捉える」
- ゴミ(1)「日本での流れを追う」
- 摩周湖「汚染の超高感度検出器」
- 森林「二酸化炭素収支を観測する」
- 二酸化炭素「温暖化の原因物質を観測する」
- モニタリング「施策を目ざした観測」
- 温暖化(5)「洋上風力発電の可能性をさぐる」
- 温暖化(4)「京都議定書以降に見えるもの」
- 温暖化(3)「炭素税は対策として有効か?」
- 温暖化(2)「暑く悪天候で大雨増える」
- 温暖化(1)「深刻化するその影響」
- 花粉症(3)「予防するには」
- 花粉症(2)「なぜこんなに増えているのか?」
- 花粉症(1)「症状を悪化させるもの」
- ココが知りたい地球温暖化
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