
生態毒性予測システム
「KATE2025 version 1.0」の公開について
(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)
【KATEのホームページ】 https://kate.nies.go.jp/
KATEは、化学物質の構造等に関する情報をもとに、魚類、ミジンコ、藻類への急性毒性、慢性毒性を予測することができます。KATEは平成23年(2011年)に初版が公開され、今回公開した「KATE2025 version 1.0」は令和2年(2020年)に公開した「KATE2020」の更新版であり、予測モデルの構築に使用しているデータの見直しや新たなデータの追加等による予測精度の向上、ユーザーインタフェースの改良等を図っています。
生態毒性影響が明らかではない化学物質の適切な管理方策を検討する際にも、KATEの予測結果を参考にすることが可能です。
1. 生態毒性予測システム「KATE(ケイト)」について
生態毒性予測システムKATE(ケイト、KAshinhou Tool for Ecotoxicity)は、環境省の請負業務として国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康領域で開発されている生態毒性QSAR(Quantitative Structure-Activity Relationship:定量的構造活性相関)モデルです。
KATEは、化学物質の構造に関する情報をSMILES※形式で入力することで、魚類、ミジンコ、藻類への急性毒性、慢性毒性を予測することができます。
※Simplified Molecular Input Line Entry System:化合物の分子構造を英数字の文字列で線形表記した識別子
2. これまでのKATEの公開状況と「KATE2025 version 1.0」の概要
KATEは、平成23年(2011年)に「KATE on NET」として初めて公開されました。平成31年(2019年)に新たなモデル「KATE2017 on NET」を公開し、その更新版として令和2年(2020年)に「KATE2020」を公開しました。「KATE2025 version 1.0」は「KATE2020」の更新版となります。
■KATE2025 version 1.0の主な機能
・魚類急性毒性試験(経済協力開発機構テストガイドラインNo.203(以下「OECD TG 203」のようにいう。)における半数致死濃度(LC50)
・ミジンコ急性遊泳阻害試験(OECD TG 202)における半数影響濃度(EC50)
・藻類生長阻害試験(OECD TG 201)における半数影響濃度(EC50)
【慢性】
・魚類初期生活段階毒性試験(OECD TG 210)における無影響濃度(NOEC)
・ミジンコ繁殖試験(OECD TG 211)における無影響濃度(NOEC)
・藻類生長阻害試験(OECD TG 201)における無影響濃度(NOEC)
(4)複数化学物質の毒性値の一括予測とその結果のダウンロード
■「KATE2020」からの主な更新内容
過去の更新履歴一覧はKATEのホームページを御覧ください。
3. 公開日
令和7(2025)年3月27日(木)
4. KATE紹介ページ
国立環境研究所
https://kate.nies.go.jp/
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/kagaku/kate.html(外部サイトに接続します)
5. KATE利用に当たっての注意事項
○KATEによる予測結果については、化学物質の生態毒性影響の程度について参考値を得るためのツールの一つとしてご利用ください。国立環境研究所及び環境省はKATEによる毒性予測値を保証するものではなく、また、KATEによる毒性予測値の使用により生じた損害については一切の責任を負いません。 ○本システムで得られた予測結果は、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号)」に基づく届出に必要な生態毒性試験結果として利用することはできません。 ○KATEによる予測方法の詳細については「KATE2025操作マニュアル」をご参照ください。
6. 問合せ先
KATE担当(国立研究開発法人国立環境研究所環境リスク・健康領域)
担当:大野、山本
Email:kate(末尾に”@nies.go.jp”をつけてください)
【報道発表内容について】
国立研究開発法人国立環境研究所
環境リスク・健康領域
領域長 山本 裕史
室長 大野 浩一
准特別研究員 伊丹 悠人
環境省大臣官房環境保健部
化学物質安全課化学物質審査室
室長 中村 雄介
室長補佐 塚崎 和佳子
専門官 岡田 佳寿美
担当 薊 英範