
エコチル調査の研究成果集
「環境化学物質ばく露の影響に関する研究成果」を
刊行しました
(環境省記者クラブ、環境記者会、筑波研究学園都市記者会同時配付)
エコチル調査では、環境要因が子どもの健康に与える影響を明らかにするために、「妊娠・生殖」「先天性形態異常」「精神神経発達」「免疫・アレルギー」「代謝・内分泌」の各分野で仮説をたて、調査・研究を進めています。本書では、これらの分野ごとに主要な成果をまとめています。
1.背景
「子どもの健康と環境に関する全国調査(以下、「エコチル調査」)」は、化学物質のばく露や生活環境などが胎児期から小児期にわたる子どもたちの成長・発達に与える影響、そして、思春期以降に発症する疾病やその子どもの次の世代の子どもへの健康影響等を調べるために、環境省により企画され、国立環境研究所が中心機関となり、全国15地域の大学や病院等と協働で進められている疫学調査です。全国10万組の親子の参加協力を得て、子どもを胎児期から40歳程度まで追跡していく壮大な調査・研究です。2010年度に開始されて以降、生活習慣や病歴等を調査する質問票調査や、採血、採尿等を行う対面式調査等を行ってきました。
集められた情報や試料を解析し、これまでに505報(2024年12月末時点)の研究論文を発表しています。『環境化学物質ばく露の影響に関する研究成果』では、化学物質ばく露の影響を解析した研究の成果として、2024年4月までに報道発表を行った53報の資料を編集し、とりまとめました。
2.本書の構成

エコチル調査では、環境要因が子どもの健康に与える影響を明らかにするために「妊娠・生殖」「先天性形態異常」「精神神経発達」「免疫・アレルギー」「代謝・内分泌」の各分野で仮説をたて、調査・研究を進めています。
本書には、これらの分野を調査する意義と、これまでに発表された研究成果の紹介や解説を記し、分野ごとに研究をまとめて掲載しています。いずれの分野にもあてはまらない研究は、「その他」として掲載しています。
●妊娠・生殖 19報
子どもの性比、妊娠異常や母親の健康状態、胎児・新生児の成長や発達との関連
●先天性形態異常 7報
先天性形態異常との関連
●精神神経発達 9報
発達障害および精神神経障害の発症や、精神神経発達、統合失調症、うつ病、双極性障害、嗜癖の発症との関連
●免疫・アレルギー 10報
免疫関連疾患や川崎病、ぜん息・ぜん鳴、その他のアレルギー疾患の発症との関連
●代謝・内分泌 1報
甲状腺機能との関連
●その他 7報
神経芽腫(小児がんの1つ)や、子どもの中耳炎、子どもの成長、先天性心疾患、小児白血病との関連
3.補足
本書に掲載している各研究の内容は、それぞれの著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。
4.研究成果集へのアクセス
【タイトル】『環境化学物質ばく露の影響に関する研究成果』
【URL】本研究成果集は、下記のリンクからアクセスください。
エコチル調査コアセンター ホームページ
成果一覧
https://www.nies.go.jp/jecs/researcher/publications.html
5.発表者
本報道の発表者は以下のとおりです。
国立研究開発法人国立環境研究所
エコチル調査コアセンター
センター長 山崎 新
次長 中山 祥嗣
6.問い合わせ先
【研究成果集に関する問い合わせ】
国立研究開発法人国立環境研究所
エコチル調査コアセンター 主任研究員 高木 麻衣
E-mail: jecs-pr(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
【報道に関する問い合わせ】
国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
E-mail: kouhou0(末尾に”@nies.go.jp”をつけてください)