公開シンポジウム開催案内
「ネオニコチノイド系農薬と生物多様性〜
何がどこまで分かっているか? 今後の課題は何か?」【終了しました】
(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ同時配付)
【開催趣旨】
現在、ネオニコチノイド系農薬が生物多様性に与える影響が世界的に懸念されています。ネオニコチノイド系農薬とは、有機リン系農薬に代わり90年代から主力農薬として普及してきたクロロニコチル系殺虫剤の総称であり、国内外で広く普及しています。欧米では主にヒマワリやナタネなどの種子コーティング剤として用いられており、日本では主に粒剤や水和剤の形で土への混和や空中散布により稲や園芸作物等に対して広く施用されています。
ネオニコチノイド系農薬は、農業生産に大きく貢献する一方で、発売後間もなくして、欧米を中心にミツバチ類への影響が問題視されました。特に北米で話題となった、蜂群崩壊症候群(CCD)と言われるミツバチが一斉に巣箱から姿を消す現象の原因物質としてネオニコチノイド系農薬が疑われるようになり、また日本国内でも、野生トンボ類の急激な減少が本系統剤の影響によるとする報告が相次いでいます。さらに、2013年には欧州連合(EU)が、ネオニコチノイド系農薬3剤を含む農薬4剤について2年間の時限付きの使用禁止措置を決定しました。この禁止措置を一つの契機として、日本においても生態学者はもちろんのこと、一般市民の間でもネオニコチノイド系農薬のリスクを懸念するとともに、その使用規制についての議論が急速に高まっています。
しかし、それらの議論ではしばしば、この問題に取り組むにあたって当然峻別すべき幾つかのポイント(例:家畜ミツバチ/野生ミツバチ、ミツバチ/送粉者一般、農薬一般の問題/ネオニコチノイド特有の問題、科学的な事実/事実に基づく推測)の混同が散見されているのが現状です。また、本問題を理解する上では、生態学的な側面だけではなく背景にある「日本の農業をとりまく環境の変化」を理解する必要があります。
本シンポジウムでは、ネオニコチノイド系農薬の生態影響・生物多様性影響に係る基礎情報及び科学的知見を事実に基づいて整理し、今後、我が国の環境保全のために取り組むべき課題を議論します。
【日時】
2015年7月15日(水)13:30 ~ 17:30 (12:30開場)
【プログラム】
13:30 開会の挨拶 住 明正(国立環境研究所理事長)
13:40「ネオニコチノイド系農薬の基礎知識」 永井孝志(農業環境技術研究所)
14:20「ネオニコチノイド系農薬等のハナバチ類への影響」 中村 純(玉川大学)
15:00 休憩
15:10「ネオニコチノイド系農薬の生態リスク評価」 五箇公一(国立環境研究所)
15:50「水田におけるネオニコチノイド系農薬影響実態」 日鷹一雅(愛媛大学)
16:40 パネルディスカッション
コーディネーター 林 岳彦(国立環境研究所)
パネラー 講演者
17:20 環境省コメント (環境省 水・大気環境局)
17:30 閉会
【会場】
国立環境研究所 大山記念ホール
(〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2)
【参加申し込み方法】
一般参加者(報道関係者以外) 事前申し込み不要
報道関係者 事前登録制
【報道関係者の皆様へ】
本シンポジウムの取材を希望される場合には、できるだけ事前にお申し込みください。(または当日受付時にお申し出ください)
シンポジウム中の撮影・録音は禁止とさせていただき、終了後に記者会見を設けます。
取材のお申し込み
・準備の都合上、取材を希望される方は下記の情報をE-mailにてお知らせください。
①会社名
②取材責任者の職名・氏名
③電話番号
④E-mailアドレス
・お申し込み先
国立研究開発法人国立環境研究所
生物・生態系環境研究センター 広報担当
勝又 聖乃(029-850-2894)
E-mail: cebes.web(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
【主催】
国立研究開発法人 国立環境研究所
【後援】
環境省
日本生態学会(予定)
【問い合わせ先】
・シンポジウムの内容に関すること
国立研究開発法人国立環境研究所
生物・生態系環境研究センター 主席研究員
五箇 公一(029-850-2480)
E-mail: goka(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
※本シンポジウムは以下の環境研究総合推進費の一環として実施いたします。
●環境研究総合推進費5-1407ネオニコチノイド農薬による陸域昆虫類に対する影響評価研究(平成26~28年度)
●環境研究総合推進費4-1303農薬による水田生物多様性影響の総合的評価手法の開発(平成25~27年度)
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