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2020年11月13日

人が去ったそのあとに~人口減少時代の国土デザインに向けた生物多様性広域評価~
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について
(お知らせ)

(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)

令和2年11月13日(金)
国立研究開発法人国立環境研究所
 編集分科会委員長:江守 正多
 編集分科会事務局(環境情報部情報企画室)
       室長:阿部 裕明
       担当:白井 大智
 

   国立研究開発法人国立環境研究所では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「人が去ったそのあとに~人口減少時代の国土デザインに向けた生物多様性広域評価~ 平成28~30年度」を刊行します。
   本報告書は、長期間無居住化した景観における生物多様性や景観の変化を調べ、それに基づく生物多様性の広域評価や将来シナリオについて取りまとめたものです。研究の結果、農地の放棄後40年程度で植生高が高木林と草原に二極化することや、無居住化がチョウ類の分布に与える影響が広域的に明らかになりました。また、人口減少に伴う将来の土地被覆の予測を行い、Web上での予測値の公開も行いました。

1 「人が去ったそのあとに~人口減少時代の国土デザインに向けた生物多様性広域評価~ 平成28~30年度」の概要

   日本はすでに人口減少の時代に入り、2050年には現居住地域の20%が無居住化すると予測されています。それに伴い、管理の不足による生物多様性の劣化と農村景観の荒廃はますます深刻になることが予想されています。人為的な攪乱の維持による里山の自然の保全、人為的な攪乱の規制による原生的な自然の保全・再生という異なるアプローチを効果的に組み合わせることは、人口減少時代における生物多様性保全を考えるうえで必要不可欠な観点ですが、無居住化・管理放棄が生物多様性に与える影響広域パターンや、無居住化後の景観の長期変化が未だ解明されていませんでした。
   このような背景を踏まえ、無居住化集落を対象に生物相や植生の長期変化について調査研究を進めてきました。
   その結果、無居住化がチョウ類相に対して与える正負の効果は地域によって大きな違いがあり、無居住化の影響を受けやすい種が多く分布する地域を特定することができました。また、耕作放棄地の植生高は放棄後40年程度で高木林と草地に二極化することも明らかとなりました。さらに、人口減少に伴う土地被覆(農地や市街地)の時間変化の予測を全国で実施し、予測値をWeb公開しました。
   本研究成果は、生物多様性の保全を目指した将来の土地利用計画や人口分布の計画立案への活用や、放棄耕作地におけるバイオマス利用のための植生管理への活用が期待されます。

●本報告書の研究課題代表者
   深澤 圭太(ふかさわけいた)
      国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 生物多様性評価・予測研究室 主任研究員

2 本報告書の閲覧及び問い合わせ先