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2014年10月21日

Japan-Singapore Waste Management Technology Study Programの開催報告(日本)

2014年10月21日
国立環境研究所
資源循環・廃棄物研究センター

 (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターは、シンガポール環境庁シンガポール環境研究所と共催し、Japan-Singapore Waste Management Technology Programを2014年10月7日~10日まで茨城県つくば市及び関東近郊で開催しました。

 シンガポールは東京23区ほどの面積を有する小さな国で、廃棄物処分のための土地を最小化するための努力が続けられてきました。埋立処分のための最終処分場はシンガポール本島から南に位置するセマカウ島に埋め立てられており、最終処分場の寿命延長のため、廃棄物の最終処分量を減らし、廃棄物のリサイクル率を向上させることが同国の廃棄物分野における最大の課題です。
 こうした課題に対応するため、シンガポール環境庁は廃棄物の中でも特に食品廃棄物、建設廃棄物、また焼却炉から出る残渣である焼却灰などの再利用とエネルギー回収を政策的に特に重要視しており、シンガポールに導入可能な日本の廃棄物処理およびリサイクル技術と制度をシンガポールの政策決定者、研究者、業界関係者らに紹介するため、今回のプログラムを企画・開催しました。

 プログラム期間中は各種焼却技術、食品廃棄物リサイクル・エネルギー再生技術、建設現場における建設廃棄物リサイクルシステム、焼却主灰のリサイクル技術等、現在のシンガポールで喫緊に必要とされている廃棄物処理およびリサイクル技術のプラントを見学し、技術に関する詳細だけでなく、運営形態や運営上の課題、コストなどシンガポールでの導入を意識した具体的な質問が多く挙がり、日本での知見と経験が共有されました。

 シンガポールは日本と類似の廃棄物課題を抱える国であると共に、廃棄物管理上の課題解決のため、積極的に外国で導入されている技術やシステムの輸入を検討している国です。国内の政策関係者、研究者と業界の距離が近く、実践と応用のための研究の実施を国の研究機関や大学が担っています。弊センターでは、シンガポール環境庁シンガポール環境研究所と今後も緊密な情報交換や人材交流を図っていく予定です。加えて、2014年6月には南洋工科大学、残渣・資源再生利用センター(R3C)と研究協力協定を締結しており、アジアの成熟都市型の廃棄物管理課題のための共同研究や研究人材交流を今後一層深めていく予定です。

写真(1)本プログラムの参加者及び国立環境研究所からの参加者
写真(2)建設現場での見学の様子
写真(3)食品廃棄物からのエネルギー回収技術について熱心に耳を傾ける参加者

本研究及びセミナーに関する問い合わせ先

国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター センター長
大迫 政浩(おおさこ まさひろ)029-850-2540 mosako@nies.go.jp

国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 高度技能専門員(国際・アジア連携)
久保田 利恵子(くぼた りえこ)029-850-2835 kubota.rieko@nies.go.jp

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