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2017年10月30日

「絶滅過程解明のための絶滅危惧種ゲノムデータベース構築」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について
(お知らせ)

(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)

平成29年10月30日(月)
国立研究開発法人国立環境研究所
 編集分科会委員長:三枝 信子
 編集分科会事務局
   (環境情報部情報企画室)
       室長:阿部 裕明
       担当:川尻 麻美

 国立研究開発法人国立環境研究所(以下、国立環境研究所という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「絶滅過程解明のための絶滅危惧種ゲノムデータベース構築 平成25~27年度」を刊行します。
 本報告書は、絶滅危惧鳥類であるヤンバルクイナ、タンチョウ、コウノトリの全ゲノムを解読した研究について取りまとめたものです。本研究の成果を活用することで、これらの鳥類の個体数が減少してきた原因の解明が進み、保護・増殖を効果的に進めることが可能となります。

1 「絶滅過程解明のための絶滅危惧種ゲノムデータベース構築 平成25~27年度」の概要

   国立環境研究所の環境試料タイムカプセル棟では絶滅危惧野生生物の死亡個体や組織、細胞を凍結保存しています。絶滅危惧種の保護・増殖事業の効率化や個体数減少の原因を解明するために、ゲノム全体の多様性を調べる必要があることから、絶滅危惧種の全ゲノム情報を解読して公表することが求められていました。
   2013年度以降に導入された次世代シーケンサーを用いて、ヤンバルクイナ、タンチョウ、コウノトリのゲノム情報を解読し、日本DNAデータバンクに登録し公表しました。
   ヤンバルクイナ、コウノトリ、タンチョウについて、遺伝子領域の90%以上を確認できる精度で解読しました。このうちヤンバルクイナについては他の2種に比べて約10倍の精度で解読できました。その結果、飛翔能力のない鳥に特異的な構造が見つかりました。
   今後はさらにデータを追加し、より精度の高い情報に更新していく予定です。また、2020年度末までに10種以上の絶滅危惧生物について全ゲノムを解読する予定です。2017年10月1日現在、ここに示した3種の他に、シマフクロウ、ニホンライチョウ、ノグチゲラ、アマミヤマシギ、ニホンイヌワシについて全ゲノム情報の解読が終了しており、公開に向けて準備中です。

●本報告書の研究課題代表者
  中嶋 信美(なかじま のぶよし)
    国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 生態遺伝情報解析研究室 室長
   (現職名:国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 環境ゲノム科学研究推進室 室長)

2 本報告書の閲覧及び問い合わせ先

●本報告書は研究所ホームページで閲覧できます。
  http://www.nies.go.jp/kanko/tokubetu/setsumei/sr-124-2017b.html

  既刊の「国立環境研究所研究プロジェクト報告」も閲覧できます。
  http://www.nies.go.jp/kanko/tokubetu/index.html

●本報告書についてのお問い合わせ先:国立環境研究所 環境情報部情報企画室出版普及係
  (TEL: 029-850-2343  E-mail: pub@nies.go.jp)

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