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2017年10月10日

絶滅過程解明のための絶滅危惧種ゲノムデータベース構築

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-124-2017

表紙
SR-124-2017 [1.18MB]

 国立環境研究所の環境試料タイムカプセル棟では絶滅危惧野生生物の死亡個体や組織、細胞を凍結保存しています。絶滅危惧種の保護・増殖事業の効率化や個体数減少の原因を解明するために、ゲノム全体の多様性を調べる必要があることから、絶滅危惧種の全ゲノム情報を解読して公表しすることが求められていました。

 2013年度以降に導入された次世代シーケンサーを用いて、ヤンバルクイナ、タンチョウ、コウノトリのゲノム情報を解読し、日本DNAデータバンクに登録し公表しました。

 ヤンバルクイナ、コウノトリ、タンチョウについて、遺伝子領域の90%以上を確認できる精度で解読しました。このうちヤンバルクイナについては他の2種に比べて約10倍の精度で解読できました。その結果、飛翔能力のない鳥に特異的な構造が見つかりました。

 今後はさらにデータを追加し、より精度の高い情報に更新していく予定です。また、2020年度末までに10種以上の絶滅危惧生物について全ゲノムを解読する予定です。2017年10月1日現在、ここに示した3種の他に、シマフクロウ、ニホンライチョウ、ノグチゲラ、アマミヤマシギ、ニホンイヌワシについて全ゲノム情報の解読が終了しており、公開に向けて準備中です。


(国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 中嶋 信美)

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