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2020年8月12日

地域を解析、未来を予測、
初の福島県プロジェクションマッピング「3Dふくしま」
~大型3D地図に映し出す画期的なデータ映像を
コミュタン福島で展示開始~

(福島県政記者クラブ、郡山記者クラブ、筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)

令和2年8月6日(木)
国立研究開発法人国立環境研究所
福島支部 地域環境創生研究室
主任研究員 五味 馨
 

   国立環境研究所福島支部では、福島県の地理空間情報データベースを構築して様々な地域環境情報を調査・分析しています。このたび開発した「3Dふくしま」は、立体地図へのプロジェクションマッピングによって、専門的な研究成果の科学データを子供にも大人にもわかりやすく「見える化」することを実現しました。
   福島県のリアルな大型3D地図の上に地理・社会情報、放射線量、野生動物の生息状況、温暖化影響などのアニメーションを超高解像度で精細に映し出します。時間軸と空間軸の両方から、人と自然と社会とのかかわりを表現し、福島県の姿を手に取るように理解・再発見することができます。
   「3Dふくしま」は8月13日よりコミュタン福島で一般公開します。
 

3Dふくしまの説明写真

1.直感的に理解できる大型3D地図を制作・公開

   「3Dふくしま」は福島県全体の大型立体白色地図(縮尺12万5千分の1、東西約1.4m、南北約1.1m)により山の高さや谷の深さ、平地の広がりなど実際の福島県がリアルに再現され、これに精密に位置合わせのされた高解像度の地理空間情報データを投影することで地形を直観的に理解できます。今回新たに制作したこのシステムを福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」に常設展示し、令和2年8月13日から一般公開します。「3Dふくしま」は県の規模で多様な研究成果を投影する初の大型地図模型プロジェクションマッピングシステムとなります。

「3Dふくしま」の全体像

横幅約1.4mの立体白地図に上方約2mからWUXGA解像度の地理情報を投影します。音声解説付き、タッチパネルで来館者が操作可能。

3Dふくしまの全体像の画像

白色の精密立体地図模型

3Dプリンタ出力で作成された福島県全体を含む大型立体地図。山・谷・盆地や湖沼の水面を精密に表現。高さ方向を約2.5倍に強調。

白色の精密立体地図模型の写真
↑写真は右上側が北の方角。左上に会津盆地と猪苗代湖、中央が郡山市など県中地域、右上に福島盆地、右下は阿武隈高地。地図の凹凸に地理情報映像を精確に位置合わせする3Dフィット技術を利用。
3Dふくしまロゴマークの画像
3Dふくしまロゴマーク

2.多様な地理・環境・社会データを空間軸と時間軸の両方で表現

   国立環境研究所の研究成果に加え、福島県や国の機関が公開しているデータを独自に分析し、詳しい解説とともに大型3D地図の上に映し出すことで、福島県の地理・環境・社会の特徴が自然に理解・実感できるようにし、さらに時系列的な変化をアニメーションで視覚化しました。「3Dふくしま」のリアルで精確なハードの機能を最大限に活用したコンテンツにより、鳥のような目線で福島県の様々な側面や将来の状況を目の前に映し出し、子供から大人まで、見る人の想像力も掻き立てます。高解像度の衛星画像、人口の分布、放射線の空間線量率の推移などのコンテンツ(下表参照)に加え、令和元年度の台風19号による浸水被害の状況なども準備中です。

公開予定コンテンツ

福島県を立体で見てみようの写真

①3Dふくしま
   ~福島県を立体で見てみよう~

浜通り・中通り・会津地方の区分と地形の特徴や、猪苗代湖の標高の高さを実感します。

人口の分布のプロジェクションマッピングの画像

②人口の分布
   ~人はどこに住んでるの?~

平野や盆地に人口が集中している様子や震災後の避難指示区域の人口の状況が分かります。

放射線量の分布のプロジェクションマッピングの画像

③放射線量の分布
   ~空間線量のうつりかわり~

地形と放射線量の関係、発災から約9年間の空間線量の推移・低減をアニメーションで。

野生のどうぶつのプロジェクションマッピングの画像

④野生のどうぶつ
   ~出没注意!イノシシとクマ~

ツキノワグマとイノシシの捕獲地点から、県内でも場所によって野生動物の分布が異なることが分かります。

温暖化と果物のプロジェクションマッピングの画像

⑤温暖化と果物
   ~福島県の特産が変わる?~

温暖化で果物の栽培に影響が出ることが心配されています。将来推計により長期的な適地変化を予測。

再生可能エネルギーのプロジェクションマッピングの画像

⑥再生可能エネルギー
   ~増加してきた太陽光発電~

福島県内に多数立地している太陽光発電所。震災前後の10年間を比較して立地場所や急激な増加を実感。

再生可能エネルギーのプロジェクションマッピングの画像

⑦再生可能エネルギー
   ~エネルギー源別の適地~

地形・地理の特徴から地熱、バイオマス、風力などの再生可能エネルギーそれぞれの適地を知ります。

<開発担当者プロフィール>

開発担当者の顔写真




五味 馨 (ごみ けい)
国立研究開発法人国立環境研究所 福島支部
地域環境創生研究室 主任研究員
京都大学大学院工学研究科、国立環境研究所社会環境システム研究センターを経て2016年より福島支部に着任。専門は地域統合評価モデルによるシミュレーションを活用した持続可能な将来社会ビジョン。これまで滋賀県、京都市のほか、アジア17の国・地域において研究を実施し成果を各国政府に提供。現在の研究課題は福島県新地町、郡山市などと協力した双方向型シミュレーションによる復興支援。地域循環共生圏の構築によるSDGs達成・ゼロカーボン社会の実現にも取り組む。社会対話としてSNSや動画サイトでの情報発信も行っている。京都大学博士(地球環境学)

<制作協力者>

地域環境創生研究室 常盤 達彦 (ときわ たつひこ)
浅野 希梨 (あさの きり)
企画総務係     今瀬 修  (いませ おさむ)
日下部 直美(くさかべ なおみ)
福岡 道子 (ふくおか みちこ)

3.Webサイト

3Dふくしま特設Webサイト
http://www.nies.go.jp/fukushima/3D/index.html

4.問い合わせ先

【「3Dふくしま」に関する問い合わせ】
国立研究開発法人国立環境研究所 福島支部
地域環境創生研究室 主任研究員 五味 馨
fukushima-po(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
0247-61-6561(福島支部代表)

【報道に関する問い合わせ】
国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メール:kouhou0(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
電話:029-850-2308

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