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:2024/08/07 09:23:37

石森 洋行

ISHIMORI Hiroyuki

石森 洋行
氏名
石森 洋行(いしもり ひろゆき)
所属/職名
資源循環領域(廃棄物処理処分技術研究室)/主任研究員
研究課題
廃棄物埋立地および再生製品利用現場における長期的な環境安全性評価
学位の種類
工学博士
専門とする学問分野
土木工学
専門とする環境分野
地盤環境
自分の強みのキーワード
地盤工学,地盤環境汚染,廃棄物処分場,数値シミュレーション,多孔質体中での物質移動,ベントナイトの物理性質,マルチフィジクス解析
研究概要
 社会基盤の根幹である「地盤環境」に関する研究に携わり、学位取得から現在までの十数年間をかけて (1) 地盤汚染のメカニズムと対策、(2) 廃棄物・副産物のリサイクルに向けた環境安全性評価、(3) 廃棄物最終処分場の設計と維持管理、跡地利用に関する研究に従事している。研究のアプローチ方法は、数値解析と実験、および現場調査の三本柱である。特に数値解析を主軸にした複雑現象のモデル化や、検証のための実験計画、将来予測等を行うことを得意としている。
 これまで、多数の物理現象を組み合わせることで、温室効果ガスの排出量算定や、準好気性埋立地の安定化メカニズムの解明等を行ってきた。これらには例えば、廃棄物埋立地内の気液二相流・多成分輸送・熱伝導・廃棄物分解・物性推算を連成させた数値解析モデルを用いた。数値解析は、複雑な現象に対する理解や、迅速な解を低コストで求められたときにその有効性が発揮される。その特性を活かし、福島第一原発事故後の放射性セシウム混入廃棄物の埋立方法等の政策決定にも関わってきた。
 最近の研究では、水銀や放射性物質、POPs等の有害性の高い化学物質を貯蔵するための中間貯蔵施設や遮断型処分場の長期的な環境安全性評価を行っている。具体的には、有害廃棄物の環境中への放出量を最小限に抑えるセメント等による固型化処理や、溶出した汚水を拡散防止するための土壌吸着層、また外界との隔離手段となる粘土ライナーや遮水シート、鉄筋コンクリートの性能評価である。さらに、それらを入力条件とした物質移動解析によって100年以上の環境安全性を評価するための研究に着手している。
 また昨今の激甚災害に対応可能な強靭な社会基盤を構築するための研究を開始している。現在分野ごとに独立している廃棄物処理(物流、焼却、埋立、維持管理、有効利用)に関する研究を包括して扱う。災害時では構造物(道路、焼却施設、埋立地、水処理施設)の劣化や破壊に伴い廃棄物処理が停滞するので、そのリスクを予見し最小化するための廃棄物処理システムの在り方の提言に向けて研究を推進している。これまでの物質移動解析技術に加えて、材料力学や流体力学、化学反応工学、物流分析等を組み込んだ分野横断的な数値解析に発展させ、社会的要請である強靭な廃棄物処理システムに必要な要件を精査していく。
略歴
■ 学歴:2001年3月 立命館大学 理工学部土木工学科 退学(飛び級)、2003年3月 立命館大学大学院理工学研究科博士前期課程 修了、2006年3月 立命館大学大学院理工学研究科博士後期課程 修了。
■ 職歴:2006年4月 立命館大学 助手、2007年4月 NEDO大学発事業創出実用化研究 ポスドク研究員、2009年3月 国立環境研究所 特別研究員、2013年4月 立命館大学 講師、2013年4月 国立環境研究所 客員研究員 併任(2015年3月まで)、2016年4月 国立環境研究所 任期付研究員、2016年4月 立命館大学 非常勤講師 併任(2017年3月まで)、2016年4月 立命館大学大学院 [連携]客員教授 併任(2018年3月まで)、2017年4月 長崎大学 非常勤講師 併任(2020年3月まで)、2018年4月 立命館大学 客員研究員 併任(2019年3月まで)
■ 表彰等:2008年11月 第8回地盤改良シンポジウム優秀発表者賞 受賞、2008年12月 国際ジオシンセティックス学会日本支部JC-IGS論文奨励賞 受賞、2009年7月 Journal of Geotextiles and Geomembranes論文賞 受賞、2012年12月 COMSOL Conference Popular Choice Best Research 受賞、2018年12月 国際ジオシンセティックス学会日本支部JC-IGS論文賞 受賞、2019年6月 廃棄物資源循環学会奨励賞 受賞
所属学会
地盤工学会,土木学会,国際ジオシンセティックス学会,廃棄物資源循環学会
個別研究課題
研究成果(誌上)
  • all
  • 査読付き 原著論文
  • 総説・解説
  • 書籍
  • その他
  • 連載講座 放射性物質の挙動から見た適正な廃棄物処理処分について 第4回 最終処分過程における挙動と制御
    発表者 : 山田正人, 遠藤和人, 石森洋行, 大迫政浩
    掲載誌 : 日廃振センター情報, 2013(1):18-21 (2013)
  • 連載講義 放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分について 第2回 焼却灰等からの放射性セシウムの溶出と吸着
    発表者 : 山田正人, 遠藤和人, 肴倉宏史, 石森洋行, 大迫政浩
    掲載誌 : 日廃振センター情報, 夏号:12-15 (2012)
  • 第1章 廃棄物埋立処分の概要. 第2章 廃棄物最終処分場からの浸出水予測. 第3章 廃棄物最終処分場へのCAEアプリ展開例
    発表者 : 石森洋行, 藤村侑, 橋口真宜, 米大海
    掲載誌 : CAEアプリが水処理現場を変える〜DXで実現する連携強化と技術伝承〜, 12-20 22-59 62-92  (2023)
  • Engineering Measures for Isolation and Sequestration of Heavy Metals in Waste as Safe Final Sink
    発表者 : Ishigaki T.(石垣智基), Ishimori H.(石森洋行), Kitamura H.(北村洋樹), Yamada M.(山田正人)
    掲載誌 : Hazardous Waste Management, 179-206  (2022)
研究成果(口頭)
  • all
  • 研究発表
  • 研究講演
所の刊行物
委員会活動
  • 2018年度 : 非常勤講師(環境科学特別講義A) (長崎大学環境科学部)
  • 2018年度 : 客員研究員(廃棄物・副産物等の力学的性状と環境安全性に配慮した有効利用に関する研究) (立命館大学総合科学技術研究機構)
  • 2017年度 : 非常勤講師(環境科学特別講義A) (長崎大学環境科学部)
  • 2017年度 : 有害廃棄物及び放射性廃棄物の処分へのセメント・コンクリート技術の適用に関する研究委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2017年度 : [連携]客員教授  (立命館大学大学院理工学研究科)
  • 2016年度 : 非常勤講師(環境地盤工学・土質力学) (立命館大学理工学部環境システム工学科)
  • 2016年度 : [連携]客員教授 (立命館大学大学院理工学研究科)
  • 2019年度 : 非常勤講師(環境科学特別講義A) (長崎大学環境科学部)
  • 2022年度 : Pomchanok Boonsakul氏(JGSEE)論文委員 (The Joint Graduate School of Energy and Environment (JGSEE))
受賞
  • 2023年 : 廃棄物資源循環学会令和4年度論文賞 (廃棄物資源循環学会)
  • 2019年 : 廃棄物資源循環学会奨励賞 (廃棄物資源循環学会)
  • 2018年 : JC-IGS論文賞 (国際ジオシンセティックス学会日本支部)
  • 2014年 : Award for Excellent Poster Presentation (Korea Society of Waste Management)