- 研究課題コード
- 2121KZ003
- 開始/終了年度
- 2021~2021年
- キーワード(日本語)
- 廃棄物最終処分場,底部遮水工,遮水シート,耐化学性,予測
- キーワード(英語)
- Waste Containment Facilities,Bottom Liner System,Geomembrane,Chemical Compatibility,Prediction
研究概要
遮水シートの遮蔽原理を研究し、長期耐久性予測を合理的に説明可能な遮蔽メカニズムを構築する。長期実験と数値解析の両面からの検証により、細密構造と化学物質の分子径の関係解析を行う。その目的は、日本の最終処分場の浸出水特性や長寿命化への対応であり、具体的には、低分子量・親水性物質の重金属等無機物質や、環境基準にある1,4-ジオキサン等、また喫緊の課題である高分子量・両親媒性物質のフッ素化合物POPsに対して正確な長期耐久性評価を与えることである。これまで先入観から遮蔽可能とされてきた親水性物質の挙動を詳らかにし、既成概念に捉われず長期試験によって確かな裏付けを得ることで、将来新たに要警戒化学物質が現れた場合でも正しい予測ができる包括的な考え方を示す。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
遮水シートの長期遮蔽性能評価、シートを通過する時の拡散係数に与える細孔特性と分子径の影響評価、及び促進劣化試験に供したシートを用いて同様の遮蔽性評価を行う。以上より、遮水シートの化学物質に対する遮蔽性をシートの細孔径と化学物質の分子径の関係から説明可能な理論モデルを構築し、また経年劣化によりシートの性状や細孔特性が変化し際のモデルの適用性を明らかにする。現地に密着した長期耐久性予測のためのフィージビリティ調査に徹する。
今年度の研究概要
(1) 塩化ビニル製遮水シートを対象とした長期的な拡散透過試験を実施し、シートへの親和性(分配係数)と透過性(拡散係数)を評価する。
(2) 分子動力学シミュレーションに基づき、化学物質がシートの細孔を通過するときの拡散係数を求め、その細孔径及び分子径との依存性を数値実験により明らかにする。
(3) 経年劣化がミクロレベルで生じる化学物質の輸送に与える影響を評価し、関連研究者や民間企業との意見交換・情報共有に繋げ、将来研究の必要性や発展性を議論する。
備考
大阪湾広域臨海環境整備センター(廃棄物の適正処理・水処理に係る調査研究助成制度)
- 関連する研究課題
- 25971 : PJ3_物質フローの転換に順応可能な循環・隔離技術システムの開発
- 25970 : PJ2_物質フローの転換と調和する化学物質・環境汚染物管理手法の開発
- 25564 : 資源循環分野(イ政策対応研究)
課題代表者
石森 洋行
- 資源循環領域
廃棄物処理処分技術研究室 - 主任研究員
- 工学博士
- 土木工学