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物質フローの転換に順応可能な循環・隔離技術システムの開発(令和 6年度)
Material circulation and sequestration technology

研究課題コード
2125AA105
開始/終了年度
2021~2025年

研究概要

生産側の物質フローの転換との円滑な接続を志向した、廃棄物処理・処分側におけるプラネタリーヘルスの実現に資する技術・システム及びその転換方策の提示に向け、炭素ネガティブ排出に繋がるカーボンリサイクル技術・システム及び物質循環の安全性を確保するための隔離技術の開発並びに社会的要素も勘案しつつ技術の実現のためのコスト、政策的仕組みを含めた廃棄物処理・処分技術等の転換ロードマップを策定することを目的とする。サブテーマ1「革新的転換に必要な循環等技術システムの選定、評価及び転換方策」では、物質フローの転換を踏まえ、廃棄物の視点から必要な循環利用、適正処理、有害物質の隔離等の技術システムを提案とその導入シナリオの策定し、廃棄物処理システムの転換経路(時期、場所、規模)を探索する。サブテーマ2「炭素ネガティブ排出型循環技術・システムの開発」では、既存の廃棄物をバイオベース、かつ炭素ネガティブ排出な物質フローへ転換させるために必要な循環技術とそれらを統合したシステムの開発を行い、並行して環境汚染物等の排出抑制・無害化の実現も目指す。サブテーマ3「物質循環の安全性を担保する長期保管・隔離・処分技術」では、全球規模での物質循環の安全性を確保する上で、有害物質を適切に環境から隔離するための長期保管および処分技術を開発する。以上の研究を通じて廃棄物処理の視点から生産と消費のあり方を提示し、2050年の脱炭素社会実現に向けたビジョンを提示する。炭素ネガティブ排出に係る技術システムについては、特にゼロカーボンシティ宣言している自治体に向け、作成するロードマップと併せて、企業と連携して自治体の策定する関連計画への組み込みを促進する。また、有害物質管理に係る地域の安全性及び全球排出量削減に寄与する長期保管・処分技術システムを確立する。既存の特別管理廃棄物の適正管理・遮断型処分の安全確保に関する抜本的な見直しに貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

物質フローの転換を踏まえ、廃棄物の視点から必要な循環利用、適正処理、有害物質の隔離等の技術システムを提案とその導入シナリオを策定し、廃棄物処理システムの転換経路(時期、場所、規模)を探索する。また、環境汚染物質等に関する安全性を確保しつつ、既存の廃棄物をバイオベース、かつ炭素ネガティブ排出な物質フローへ転換させるために必要な循環技術とそれらを統合したシステムの開発を目指す。さらに、全球規模での物質循環の安全性を確保する上で、有害物質を適切に環境から隔離するための長期保管及び処分技術を開発する。そして、3年目までに、生ごみやプラスチックに着目し、廃棄物処理における炭素ネガティブ排出を目指した場合の消費と生産のあり方を描出する。バイオマス由来炭素の貯留を目的とした、処理後の炭素残渣等の建設材料化や農地施用に適したガス化・熱分解処理手法・条件を明らかにするとともに、ガス化と発酵を連携させ、派生するCO2、COガス等を燃料変換する技術システムを構築する。さらに、有害物質を隔離するための長期保管・処分技術システムの環境放出抑制機能を評価可能な数理モデルを提案する。5年目までに、物質フローの転換に資する生産・消費・処理システムの実現に向けた転換ロードマップ(時期、場所、規模等)を策定する。炭素貯留における安全性確保を目的として、炭素残渣中の有害化学物質等の有無の解明、抑制及び安全確保の方法を提示するとともに、派生CO2、COガスの化学品への転換を志向した技術システムを構築する。また、循環資材の活用における生物との相互作用による炭素固定の促進効果を明らかにする。以上に基づき、構築した技術システムの、地域資源の一体的処理における成立条件及びネガティブエミッション効果を評価する。加えて、有害物質隔離機能を合理的に維持するための維持管理要件を、物質移動と構造安定性の両面からリスクシナリオ毎に示しガイドライン化するとともに、提案する維持管理要件の下での超長期的な環境リスク低減及び物質フローの健全性確保の効果を示す。

今年度の研究概要

時系列での組成別廃棄物発生量予測に向けたアルゴリズムを統合し、時空間での組成別廃棄物発生量をメッシュ単位で推計する。また、処理過程で発生するCO2を含む有機性廃棄物およびバイオマス炭素循環技術の実証試験へ向けた処理条件、安全性の課題検討を行うとともに、バイオマス利用のシナリオ分析を通した技術普及シナリオの構築を進める。さらに遮断型処分場のより現実的な条件を考慮した長期安全性評価が行えるように必要パラメータ(不溶化、表面防水処理等)の収集を行うとともにガイドライン化を進める。

外部との連携

京都大学、北海道大学、エックス都市研究所、みずほ情報総研、タクマ、荏原実業、東邦ガス、荏原環境プラント、農研機構

課題代表者

小林 拓朗

  • 資源循環領域
    資源循環基盤技術研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (工学)
  • 土木工学,生物工学
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担当者