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放射性物質をトレーサーとして用いた多孔質媒体中の水みち形成過程の解明(令和 4年度)
Study on Water Channel Processing in Porous Media using Radiotracer

研究課題コード
2122AN004
開始/終了年度
2021~2022年
キーワード(日本語)
水みち,イメージングプレート,可視化,放射性セシウム,数値実験
キーワード(英語)
Water Channel,Imaging Plate,Visualization,Radioactive Cesium,Numerical Experiment

研究概要

 水みちは、廃棄物埋立地の正確な物質動態を把握するための重要な課題である。廃棄物層内の可動水相では溶出やガス化が進行するものの、不動水相では停滞する不均質場である。各相におけるフラックスは有効間隙率と屈曲率の二つのパラメータで表現し、球形度と粒度分布、スケール長さを引数とするこれらの関数形を、土槽実験と数値実験によって明らかにし、実際の廃棄物埋立地における浸出水挙動を説明できるのかを検証する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

 1年目はイメージングプレートを用いた水みちの可視化方法を構築する。標準砂を用いた小型実験土槽に、放射能汚染飛灰溶出液をトレーサーとして、土槽上端より注入する。IPの分解能は最高100μm/pxであるが、土槽の材質や奥行きによって分解能は低下するので、鮮明な水みちを得るための要件を調べる。
 2年目は確立した可視化方法を用いて、主灰や廃プラを用いた土槽実験を行い、トレーサー注入前後のIP画像の変化から水みちの形成箇所を実測する。これらを再現可能なモデルを、個別要素法とFEM流体解析の組み合わせによって構築し、コンピュータ上で疑似的に再現した多孔質体の有効間隙率と屈曲率に及ぼす球形度と粒度分布、スケール長さの影響を明らかにする。

今年度の研究概要

(1) 可視化手法の改良:低濃度の放射性物質トレーサーでもイメージングプレートで可視化するために、環境放射線等の外乱要因の除去すること、またより鮮明な画像を得るためにトレーサーの土壌吸着性を高めるための脱塩や試験対象土壌の選定・改質を検討する。
(2) 数値モデルの構築:断面二次元土槽実験を再現可能なモデルを、個別要素法とFEM流体解析の組み合わせによって構築し、仮想空間場において有効間隙率と屈曲率に及ぼす球形度と粒度分布、スケール長さの影響を数値実験により明らかにする。
(3) 水みち評価結果の位置づけ・有効性評価:本研究で得られる水みちモデルの妥当性を、福島県内最終処分場の浸出水データから導かれるCs浸出率との比較から議論する。

外部との連携

熊谷組技術研究所、福島県環境創造センター

関連する研究課題

課題代表者

石森 洋行

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 主任研究員
  • 工学博士
  • 土木工学
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担当者