受賞のお知らせ~
MI Yang 特別研究員が日仏生物学会より最優秀口頭発表賞を受賞
概要
受賞者氏名: MI Yang (環境リスク・健康領域)
賞の名称: 最優秀口頭発表賞
授賞機関: 日仏生物学会
受賞年月日: 2025年5月31日
受賞対象: Oral Exposure to Fluorescent Polystyrene Nanoplastics: Size-Driven Accumulation in Neonatal Mice, 202e réunion Société Franco-Japonaise de Biologie, 2025

ひとこと
環境中に存在する、粒径が1μm以下のナノプラスチック(NPs)がヒトの健康に影響を及ぼす可能性が懸念されています。特に脆弱性の高い胎児期・新生児期にNPsを曝露された場合成人と比較して体内蓄積量が増大することが懸念されますが、発達期の体内動態に関してはこれまで十分に検討がなされてきませんでした。本研究ではNPsの体内動態を探る第一歩として、新生仔マウスに対して蛍光標識したナノサイズのポリスチレン(PS-NPs)を経口投与し、摘出した組織内の蓄積分布をライトシート顕微鏡で網羅的に検索しました。その結果、500 nm粒径のPS-NPsと比較して、サイズの小さな50 nm 粒径のPS-NPsは脳を含む複数の臓器でより高い蓄積性を示すことが明らかになりました。また、50 nm 粒径のPS-NPsは脳内では局所的な脳領域に分布することも明らかになりました。今回の最優秀口頭発表賞は以上の研究成果に関する発表をご評価いただいたもので、我々が世界で初めてナノプラスチックの発達期における脳内局在を明らかにした点を特にご評価いただいたものと考えており、大変光栄に感じております。今後は、さらに詳細に細胞レベルでのNPsの体内動態を探っていくとともに、その有害性に関しても調べていく予定です。