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2024年10月23日

受賞のお知らせ~
田和 康太 特別研究員らが応用生態工学会第27回さいたま大会 優秀ポスター発表賞を受賞

概要

受賞者氏名: 田和 康太(気候変動適応センター)、西廣 淳(気候変動適応センター)、柗島 野枝(気候変動適応センター)
賞の名称:  応用生態工学会第27回さいたま大会 優秀ポスター発表賞
授賞機関:  応用生態工学会
受賞年月日: 2024年09月20日
受賞対象:  遊休水田に創出した小面積の再生湿地における水生動物群集の特徴, 応用生態工学会第27回さいたま大会, 同予稿集, 2024

ひとこと

遊休水田に遊水機能を持たせ、それらを湿地化することは治水と氾濫原の生物多様性保全を両立できる可能性があるため、社会的に注目を集めています。私たちの研究チームは千葉県富里市の遊休水田において、小型かつ天水によって季節的に水のたまる数平米の湿地(以下、季節湿地)を創出し、生物多様性保全の観点から隣接する既存の常時湛水湿地と水生動物群集を比較しました。季節湿地では、常時湛水湿地の水生動物群集と構成種が大きく異なりました。具体的には、季節湿地では成虫・幼虫を含めた水生コウチュウ目の多様性が高く、常時湛水湿地にはみられなかったニホンアマガエル幼生が多数生息していました。また、一度、季節湿地が干上がった後に再湛水されると、場所によっては干上がる前と変わらない水生昆虫の種類数が示されました。このように遊休水田を活用し、水管理の異なる湿地を組み合わせて創出することで、様々な水生動物に生息場所を提供できる可能性があります。今後は冬期調査や野外実験も含めつつ、継続的に調査研究を進めていく予定です。