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2022年11月22日

受賞のお知らせ~
井上 智美 主幹研究員が公益社団法人土木学会より令和3年度土木学会賞「論文賞」を受賞

概要

受賞者氏名: 井上 智美(生物多様性領域)
賞の名称:  令和3年度土木学会賞「論文賞」
授賞機関:  公益社団法人土木学会
受賞年月日: 2022年05月16日
受賞対象:  Estimating the cost of coastal adaptation using mangrove forest against sea level rise,Coastal Engineering Journal ,2021

賞状の写真

ひとこと

この論文は、茨城大学の横木裕宗さん、田村誠さんと、愛媛大学の熊野直子さんとの共同研究で、気候変動によって懸念されている海面上昇が及ぼす影響を予測し、それに対する適応策を検証したものです。沿岸保護を目的とした人工的な策としては、海岸堤防の設置(グレーインフラ)がありますが、沿岸域に分布する森林生態系が持つ沿岸保護機能(グリーンインフラ)にも注目が集まっています。私たちは、熱帯・亜熱帯地域112の国と地域の沿岸域に見られるマングローブ生態系を対象として、海岸堤防とマングローブ林を活用した適応策の有効性と費用効率性を評価しました。分析の結果、気候変動による海面上昇による沿岸浸水への対応では、海岸堤防だけで対応するよりも、堤防とマングローブ林を組み合わせた対策の方が、費用便益比が1.5倍高くなることが示されました。生物・工学・社会学の各専門分野で共同して得られた成果でこのような賞をいただくことが出来、大変嬉しく思います。