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2020年9月16日

受賞のお知らせ ~ 谷口 優主任研究員がGeriatrics & Gerontology InternationalよりBest Article Award 2019を受賞

概要

受賞者氏名: 谷口 優(環境リスク・健康研究センター)
賞の名称:  Best Article Award 2019
授賞機関:  Geriatrics & Gerontology International
受賞年月日: 2020年08月04日
受賞対象:  Association of Trajectories of Cognitive Function with Cause-Specific Mortality and Medical and Long-Term Care Costs,Geriatrics & Gerontology International ,19 (12), 1236-1242,2019

ひとこと

この度、日本老年医学会の英文誌であるGeriatrics & Gerontology InternationalのBest Article Awardを受賞致しました。本研究では、協力研究員として参画している東京都健康長寿医療センター研究所の長期疫学研究データから、高齢期の認知機能の変化パターンを類型化し、パターン毎に医療費及び介護費の推移を分析しました。本研究の結果、高齢期の認知機能は、認知機能が高い水準で保持される約8割の集団、緩やかに認知機能が低下する約17%の集団、早期に認知機能が大きく低下する約4%の集団に分類されました。これらの群間で、医療費と介護費の推移を比較したところ、社会保障費の累積が大きかったのは、緩やかに認知が機能低下する約17%の集団でした。一般的には、認知機能の低下が大きな高齢者ほど社会保障費が増大すると考えられていますが、本研究により、長期に渡って緩やかに認知機能が低下する高齢者では、医療と介護の両方のニーズが高まることが明らかになりました。本研究成果が、認知症予防を推進するための基礎資料として活用されることを期待するとともに、認知機能低下の抑制に主眼を置いた保健事業の構築に寄与することを願います。 今回の受賞を励みに、健康長寿社会の実現を目標として、今後もライフコース研究を進めてまいります。