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2018年6月29日

カラム量とカラム平均濃度

コラム2

 いぶきは、太陽光が地表面で反射して衛星に到達した光を測定します。温室効果ガスの吸収によって光が減衰している様子を調べることで温室効果ガスの量を求めるため、いぶきが測定する温室効果ガスの量は地上から大気上端までの総量になります。気体の総量を単位面積当たりの地上から大気上端までの柱(カラム)の中にある気体分子の数で表した数値を、カラム量と呼びます(図3)。

カラム量のイメージ
図3 カラム量のイメージ

 カラム量は地表面の標高や気圧が変わると変化するため、カラム平均濃度に変換して標高や気圧の影響を取り除いています。カラム平均濃度は、乾燥空気のカラム量に含まれる温室効果ガスのカラム量の割合で表されます。乾燥空気とは空気中に平均0.5%ほど存在する水蒸気を差し引いたもので、窒素(78.1%)・酸素(20.9%)・アルゴン(0.9%)・二酸化炭素(0.04%)・その他(0.003%)で構成されます。乾燥空気のカラム量は、地上では気圧を測れば求めることができます。宇宙からは酸素の吸収による光の減衰を測定し、乾燥空気に含まれる酸素の割合がほとんど変化しないことを利用して地表面気圧を推定し、乾燥空気のカラム量を求めています。