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2016年9月30日

濃度標準ガスの開発

コラム1

 二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの大気中濃度を決定する際には、精度が高い標準ガスが必要です。長期的な観測では、それぞれのガスに応じた精度の標準ガスを長期間保持しなければなりません。例えば、二酸化炭素では0.1ppm以下の精度が必要です。地球環境研究センターでは観測を始めた当初より、ガスメーカーの協力のもとで、独自に重量充填法(ガスの重さを測り、混ぜ合わせる方法)による標準ガスシリーズの開発に力を注ぎ、測定すべき濃度範囲に調整した一連の標準ガスを作製しました。この最初に作った標準ガスを1次標準ガスと呼び、この値を基準値として、通常の校正に使う2次標準ガスの濃度の値を決めています。現場で使う標準ガスは3次標準ガスといい、2次標準ガスを用いて濃度を決めます。1次標準ガスは消費してしまうと困るので、大切に長期保存しています。定期的に1次標準ガスの濃度をチェックし、国際的な機関同士での比較を行うことで、地球環境研究センターの標準ガスの値が国際的にずれていないかを確認しています。

図2 二酸化炭素ガスの1次標準ガスシリーズ(左棚)と2次標準ガス(右棚)

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