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2016年9月30日

錆びても錆びなくても困ること

コラム4

 波照間ステーションが海岸際に建っているがゆえに、潮風の影響でタワーなど鉄製のものは「錆」との戦いです。毎年、計画的にタワーを塗り替え、変えられるパーツはステンレスに交換しています。これは、毎年大変な作業です。2005年に新たに建てた10mの大気汚染物質観測用タワーは、これまでの錆問題を一挙に解決するために、外側をチタンで被覆しました。チタンは錆びないし、強度もあり軽いのでタワーにはもってこいの素材だと判断したためです。実際に運用すると、まったく錆びずに、メンテナンスが不要でした。これで万歳ということなんですが、一つだけ錆びないがゆえに困ったことがあります。それは、ネジがまったく錆びないので、閉めたはずのネジがいつまでも軽く回ってしまうことです。台風による振動でチタン製ネジが緩んでくるという現象もみられ、錆びないことによる課題も学びました。

図7 (a) 長寿命ガス測定用の鉄塔(左)と大気汚染物質測定用のガラスの流路をチタンで覆ったタワー(右)
図7 (b) チタン製の採取口。鳥や虫の混入を防ぐためテフロンネットで覆っている。

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