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2012年8月31日

サマー・サイエンスキャンプ2012 開催報告

企画部広報室


 今年も夏休み期間中に高校生を迎えて、サマー・サイエンスキャンプ2012を開催致しました。サイエンスキャンプは文部科学省の後援、独立行政法人科学技術振興機構の主催のもと、日本科学技術振興財団および受入研究機関が実施している高校生のための科学技術体験合宿です。国立環境研究所では1999年から毎年参画しておりますが、今年も2プログラム開催し、7月25日〜27日の三日間は「環境と生物」に10名、8月20〜23日の四日間は「東京湾の魚介類と環境を調べて見よう〜東京湾の本当の姿を実体験!〜」に12名の生徒たちが参加しました。いずれのコースも国内外から定員を上回る応募のため、厳選なる選考により選ばれた生徒たちです。

 「環境と生物」では、世界の遺伝子研究で用いられている実験を体験しました。洞峰公園で採取した土の中にどのような微生物がいるのか遺伝子増幅装置 (PCR)および電気泳動装置(DGGE)を用いて測定し、環境によって異なる土壌細菌相があることを確認しました。初めて使うマイクロピペットや測定装置などに最初は慣れない手つきでしたが、ティーチングアシスタント(TA)の筑波大学院生のお手本のもと作業を進めていました。また講師の岩崎一弘主任研究員から遺伝子研究や研究者になるための話を熱心に聞く姿も大変印象的でした。TAも後輩に教える体験、また学外の研究者と交流できる機会になったことと存じます。

 「東京湾の魚介類と環境を調べて見よう」では、横浜市漁業共同組合の協力のもと、横浜市柴漁港から東京湾で漁をしている漁船2隻に乗り込み、東京湾の北部と南部の2地点で底引き網と水質観測を行いました。本プログラムでは、海や魚に興味のある生徒が集まっており、アカエイやアナゴ、カニ、シャコなどがかかった網が揚がるたびに目を輝かせていました。また持ち帰ったサンプルは翌日、研究所内の環境試料タイムカプセル棟にて種類ごとに重さと個体数の計測を行い、網を揚げた地点によってどのような差があるのか、水温や溶存酸素などの水質の違いも考慮し、最終日には班ごとに考察を発表しました。

 サイエンスキャンプを通して研究機関で最先端の科学体験をすることは、高校生たちにとって学校では体験できない貴重な経験であり、また同じく科学を志す仲間を作る場にもなっておりました。国立環境研究所では、このような青少年の育成にも引き続き取り組んで参りたいと思います。

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