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2012年8月22日

平成24年度「バンコク都清掃職員向け洪水廃棄物ワークショップ開催(報告)」

2012年8月22日
国立環境研究所
資源循環・廃棄物研究センター

 平成24年7月31日から8月1日まで、(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターは、タイ国バンコクにおいて「バンコク都清掃職員向け洪水廃棄物ワークショップ」を開催しました。

 同ワークショップは国立環境研究所、バンコク都庁、キングモンクット工科大学トンブリ校1、環境とエネルギー大学院が共催し、バンコク都内50地区の廃棄物収集を担当している職員ら約80名を対象に洪水廃棄物管理手法に関する講義と洪水廃棄物の発生量推計手法の実習作業を行うことを目的に行われました。

 去年7月から今年1月にかけて発生した洪水のため、生活廃棄物に加えて、浸水した家屋やビルから出た使えなくなった家具、家電製品、紙類などが大量にごみとして排出されました。浸水したエリアではごみ収集車が進入できず、回収されないままで放置され、腐敗やかびなども認められたことから、住民の衛生状態や健康への影響が懸念されていました。

 バンコク都では、今後も昨年同様規模の洪水が発生する可能性を考慮し、洪水時の廃棄物管理を担当する職員の管理能力強化や、機材配備も含めた体制強化が喫緊の課題とされており、国立環境研究所及びキングモンクット工科大学はバンコク都と協力し、洪水廃棄物管理ガイドライン策定を進めています。

 今回のワークショップでは、洪水時に現場の第一線で廃棄物処理にあたっていた職員らが、通常時、洪水発生直後、洪水後のフェーズに分けて、具体的な対策方法と、発生時に備えた洪水廃棄物データの推計手法について熱心に受講していました。洪水廃棄物データの推計手法については、職員らが自身の地区のデータや洪水発生期間について議論しながら、地区ごとに計算するという参加型のワークショップを実施し、現場担当者らが持つデータで推計することが可能であることを確認しました。

1国立環境研究所とタイ国キングモンクット工科大学トンブリ校は2009年度から研究連携協定を締結し、密接な研究協力関係にある

 洪水廃棄物を適切に管理するためには、洪水発生前からの準備が大切であること、廃棄物データを作成することは、行政及び政府への政策対応を要請するにあたって不可欠であること、などが改めて強調され、こうした認識を第一線の現場で対応にあたる職員らが再確認する機会となりました。

 (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターでは、今後もバンコクをはじめとしたアジア都市を襲う自然災害に強い廃棄物管理体制づくりのため、日本の経験と技術をアジアに普及させることを一つの使命として、研究活動の成果を基に社会貢献していく予定です。

本研究及びワークショップに関する問い合わせ先:
国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 主任研究員
石垣 智基(いしがき とものり) 029-850-2389 ishigaki*nies.go.jp(*を@に変えてください)

国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 高度技能専門員(国際・アジア連携)
久保田 利恵子(くぼた りえこ) 029-850-2835 kubota.rieko*nies.go.jp(*を@に変えてください)

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