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2012年4月9日

2012年4月9日
国立環境研究所
資源循環・廃棄物研究センター

 (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターは、タイ洪水廃棄物管理国際セミナーを2012年3月20日~21日までタイ国バンコク市で開催しました。

 2011年7月~12月にかけてタイ国で発生した洪水を受けて、タイ国キングモンクット工科大学トンブリ校 1 から国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターが要請を受け、同年12月、同センター石垣智基主任研究員らが現地を訪れ、各種支援を実施しました。タイは数年おきに洪水が発生しているにも関わらず、洪水により発生する廃棄物への管理対策が整備されていないことから、廃棄物管理のためのガイドライン策定が必要とされていました。こうしたニーズへの具体的な協力の一つとして、このたび政府機関、地方行政府、研究者らを対象として、洪水廃棄物管理に関する情報提供及びガイドライン策定のためのセミナーを開催しました。

 セミナーでは、昨年タイで発生した洪水によって発生した廃棄物の種類、量など洪水廃棄物の概況が発表された他、日本及びニュージーランドで発生した津波、地震等の自然災害による廃棄物管理に際してどのような対応がされたか、などのデータと経験が共有されました。

 洪水廃棄物管理において、洪水発生地域とその周辺地域の連携、政府による住民らへの啓蒙活動の実施、住民らへの迅速かつ適切な有害廃棄物に関する情報提供などが重要であることがセミナーで共有されました。

 翌日21日は専門家会合として約15名の廃棄物専門家らが洪水廃棄物ガイドライン案作成のための議論を行い、平時、洪水発生時、洪水発生後の対応に関するガイドラインの枠組みを決定しました。国際機関や各国政府が提供している災害廃棄物ガイドライン等を参照しながらキングモンクット工科大学等の研究者が中心となって作成し、タイ国政府やバンコク市政府において策定することを目標に今後具体的な作業が開始されます。

 20日開催のセミナー参加者は、タイ国天然資源環境省、バンコク市、キングモンクット工科大学、カセサート大学、チュラロンコーン大学、アジア工科大学、国連環境計画等から約80名が出席しました。


 1 国立環境研究所とタイ国キングモンクット工科大学トンブリ校は2009年度から研究連携協定を締結し、密接な研究協力関係にある

写真(1)セミナーの様子
写真(2)パネルディスカッションの様子
写真(3)セミナー参加者の様子
写真(4)専門家会合の様子

本研究及びセミナーに関する問い合わせ先:
国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 主任研究員
石垣 智基(いしがき とものり) 029-850-2389 ishigaki*nies.go.jp(*を@に変えてください)

国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 高度技能専門員(国際・アジア連携)
久保田 利恵子(くぼた りえこ) 029-850-2835 kubota.rieko*nies.go.jp(*を@に変えてください)

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