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2012年3月7日

「東南アジアにおける廃棄物データベースの構築及び廃棄物処理システムの評価」研究成果報告セミナーの開催報告(ベトナム国ハノイ市)

2012年3月7日
国立環境研究所
資源循環・廃棄物研究センター

 (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターは、環境研究総合推進費K2338「東南アジアにおける廃棄物データベースの構築及び廃棄物処理システムの評価」研究成果報告セミナーをベトナム国ハノイ市にて開催しました(2012年3月2日)。

 廃棄物の量や質に関するデータは、収集運搬から適正な処理、リサイクルなどの廃棄物管理システムを改善する上で必要不可欠ですが、ベトナム国を始めとする途上国ではそれらデータが存在せず、また精度も極めて低いのが現状です。本研究では特にベトナム国を事例として、廃棄物の収集量、物理組成、化学組成、三成分等の基本的なデータを現地調査を通じて徹底的に収集し、提供しました。また、廃棄物からリサイクルを行っているインフォーマルセクターと呼ばれる人々の実態を把握し、資源循環に大きな役割を果たしていることも明らかにしました。これらの知見は、今後の廃棄物管理システムを改善していくうえで大いに役立つと考えられます。

 そのほか成果報告セミナーでは、ベトナム国における廃棄物管理の将来ビジョンや、リサイクルのための分別に関するベトナム国の住民の意識や実際の行動についての調査結果、日本で開発された準好気性埋立システムをベトナム国に導入した場合の効果の検証等を成果として担当研究者から報告しました。

 また担当研究者からの報告の後には、パネルディスカッション及びセミナー参加者との質疑応答を通じて、3年間の共同研究成果と今後に向けた課題について意見共有を行うことができました。

 セミナーには、ベトナム国天然資源環境省・建設省・科学技術省、ハノイ市天然資源環境局・建設局、主要都市の都市環境公社、ハノイ科学大学、ハノイ土木工科大学、ハノイ理工科大学、JICAベトナム事務所などから約70名が出席しました。

報告テーマ及び報告者

・「東南アジアにおける廃棄物データベースの構築及び廃棄物処理システムの評価」研究概要および成果報告 河井紘輔(国立環境研究所)
・ハノイ市における将来の廃棄物管理のための参加型意思決定アプローチ 阿部直也(東京工業大学)、Do Nam Thang (Institute of Science for Environmental Management)
・ベトナム国の都市部における廃棄物データの蓄積とその精度 Luong Thi Mai Huong (Institute for Urban Environment and Industry of Vietnam)
・事業系一般廃棄物発生量と関連要因-フエ市の事例 松井康弘(岡山大学)
・ベトナム国初の循環型準好気性埋立システム-ハイフォン市の事例 平田修(福岡大学)
・ハノイ市腐敗槽管理における定期的汚泥除去がもたらす効用 原田英典(京都大学)

写真(1)研究成果報告の様子
写真(2)パネルディスカッションの様子
写真(3)セミナー参加者の様子

本研究及びセミナーに関する問い合わせ先:

国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 特別研究員
河井 紘輔(かわい こうすけ)029-850-2727 kawai.kosuke*nies.go.jp(*を@に変えてください)

国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 高度技能専門員(国際・アジア連携)
久保田 利恵子(くぼた りえこ)029-850-2835 kubota.rieko*nies.go.jp(*を@に変えてください)

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