2025年10月1日
受賞のお知らせ~
牛島 大悟 リサーチアシスタントが日本LCA学会より学生優秀発表賞を受賞
概要
受賞者氏名: 牛島 大悟 (資源循環領域)
賞の名称: 学生優秀発表賞
授賞機関: 日本LCA学会
受賞年月日: 2025年3月7日
受賞対象: 日本の二次医療圏レベルでの効率性分析を通した地域医療の資源分配政策, 第20回日本LCA学会研究発表会, 2025

ひとこと
日本は人口当たりのCTおよびMRI保有数で世界最多を誇るが、その利用効率は依然として低い。この非効率性は医療機関の財政的負担を増大させ、医療の質を損ない、持続可能性を脅かす。本研究では、地域医療計画の基本単位である二次医療圏を対象に、メタ・フロンティアDEAを用いてCT・MRIの運用効率性を評価した。病院は設置主体別に分類し、非効率性を経営的要因、都道府県レベル要因、二次医療圏レベル要因に分解した。結果として、全国平均の効率性はCTで0.49、MRIで0.59と低水準であり、非効率性の約7割は都道府県レベルに起因し、設備の過剰供給や地域内偏在を反映していた。特に公的医療機関や医療法人の寄与が大きく、後者では営利志向的な過剰投資により約2割の経営的非効率が認められた。また二次医療圏レベルの非効率(約2割)は医療機関間の連携不足と関連していた。これらの知見は、診断機器の戦略的かつデータ駆動型の配置の必要性を示す。政策対応としては、計画の実効性強化、空間的アクセシビリティ指標の導入、民間への規制強化、さらに二次医療圏内での機器共有の推進が、効率性と公平性の向上に不可欠である。