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2025年1月20日

受賞のお知らせ~
ZHAO Yueyuan 特別研究員、肴倉 宏史 室長が廃棄物資源循環学会より第35回廃棄物資源循環学会研究発表会 優秀ポスター賞を受賞

概要

受賞者氏名: ZHAO Yueyuan、肴倉 宏史(資源循環領域)
賞の名称:  第35回廃棄物資源循環学会研究発表会 優秀ポスター賞
授賞機関:  廃棄物資源循環学会
受賞年月日: 2024年10月9日
受賞対象:  焼却灰・スラグ・メタルなど熱処理 残渣中 44元素の抽出に適した酸分解方法の検討、廃棄物資源循環学会, 2024

ひとこと

日本では、多くの廃棄物に対して焼却や溶融などの熱処理が施されており、その結果生じる熱処理残渣(焼却灰、スラグ、メタルなど)には、廃棄物に含まれていた元素が移行している。筆者らは、特に溶融処理が、元素をスラグ、メタル、溶融飛灰へより高精度に分離可能な「溶融分離処理」であると捉え、また、再利用が困難な廃プラスチック回収残渣(塩ビを含んで良い)を、溶融の燃料および重金属の還元・塩化揮発を促進させるケミカルリサイクル剤として利用することで、環境負荷を低減しつつ廃棄物の有効活用を最大化する複層的なシステムの構築に取り組んでいる。そのための最も基本的な課題として、熱処理残渣中の有価金属や有害元素等の含有量の定量方法の確立が挙げられる。元素含有量の定量方法としては、試料へ酸を加えて加熱分解し、抽出液の元素濃度をICP-MS等で定量する方法が良く用いられているが、用いる酸の種類によって、各種熱処理残渣からの目的元素の抽出性が異なる可能性がある。そこで本研究では、(1) AR法:王水(硝酸と塩酸との混酸)による分解法、および、(2) FB法:硝酸、塩酸、フッ酸との混酸で分解後にホウ酸を加え再加熱する方法の2種類の方法を適用し、各種熱処理残渣中の44元素に対して適した分解方法を提案することを目的とする。 熱処理各残渣の酸分解に関しては、Mo、Pd、Inを目的元素とする場合や、メタル類が分析対象試料とする場合には、AR法とFB法の両方を適用することが望ましい。目的元素がPtやAuなどの有価元素やCd、As、Pbなどの有害元素の場合、FB法の適用を推奨する。