ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方
2018年11月13日

受賞のお知らせ ~
篠原 隆一郎主任研究員が日本陸水学会で吉村賞を受賞

概要

受賞者氏名: 篠原 隆一郎(地域環境研究センター)
賞の名称:  吉村賞
授賞機関:  日本陸水学会
受賞年月日: 2018年10月07日
受賞対象:  湖沼河川におけるリンの動態に関する研究に対して

ひとこと

この度、これまで進めてきた湖沼・河川におけるリンの動態に関する基礎研究の研究業績に対して日本陸水学会吉村賞をいただきました.霞ヶ浦はつくば市にとっては水がめともいえる湖で、飲料水の原水を取水するため、またあるいはワカサギなどの漁業のため等に利用されています.そこでは夏になるとアオコと呼ばれる植物プランクトンの大発生が見られ、私の研究テーマであるリンは、その発生要因の一つであると考えられています.
リンは生物の生長のためには必須の元素の一つであり、遺伝情報を司るDNA, RNA、細胞膜を構成するリン脂質、エネルギー代謝のために必要なアデノシン三リン酸等、その化合物は多岐に渡ります.私は水中に浮遊する粒子の中に含まれるリン化合物に着目し、核酸(DNA)などの有機態リン化合物の濃度の時空間変動が大きいことを明らかにし、その点を評価していただきました.また、霞ヶ浦におけるリンは泥から溶け出てくるものが多く、冬から春にかけては、その溶出機構に、有機態リンが深くかかわっていることについて明らかにしました.
近年ではリン化合物は、温暖化に寄与するメタンの生成にも関わっていると考えられており、より一層その動態解明の重要性が増しています. これら一連の研究は湖沼・河川環境研究室の実験室設備、環境計測研究センターの基盤計測機器などを利用して行ったものになります.多くの共同研究者の協力と支援の賜物であり、皆様に深く感謝致します.今後も水環境におけるリンの動態解明と富栄養化問題の解決のためにより一層努力をしていく所存です.

リンク

  • 組織紹介-地域環境研究センター

研究者紹介