新刊・近刊紹介
国立公害研究所研究報告(R-125-'89)
「Chironomidae of Japan: Checklist of Species Recorded, Key to Males and Taxonomic Notes (日本及び東アジア産ユスリカ科のカタログと雄成虫の検索表) 」(平成元年11月発行)
著者らの日本産ユスリカの分類、生態、分布、生物指標性の研究は国立公害研究所において昭和52年から開始され,その間多くの分類学的論文が公表されてきた。本報告書はこれまでに日本と東アジアで記載されたユスリカのカタログと検索表からなる。これまでにこの地域から480種が記録され、その多くは著者と共同研究者によるものである。かつてわが国では,ユスリカは多くの調査・研究報告において,分類が困難なため一つのグループとして一括して扱われ,その生態的役割や環境の指標性については余り関心が払われていなかった。しかし今日では,ユスリカ類は水生昆虫の中でも分類が進んだグループの一つとなり,水域の汚濁の生物指標として有効なことは,著者らもまた明らかにしている。この本が多くの研究者,調査の実務に携わる方々に利用されることにより,生物指標および川・湖沼の生態系研究の発展に役立つことを希望する。(T.I.)
目次
- 国立環境研究所としての新展開巻頭言
- 野外研究を大切に論評
- 地方公害研究所と国立公害研究所との協力に関する検討会(第9回)の報告所内開催又は当所主催のシンポジウム等の紹介
- 広域都市圏における交通公害防止計画策定のための環境総合評価手法に関する研究特別研究活動の紹介
- 環境水中に見いだされる新たな汚染物質経常研究の紹介
- 第5回全国公害研究所交流シンポジウム所内開催又は当所主催のシンポジウム等の紹介
- 環境汚染のリスクアセスメント − 健康リスク評価の問題点を中心として −環境リスクシリーズ(3)
- 故岩田敏研究員を偲んでその他の報告
- 快適な暮らしの代償としてのリスク環境リスクシリーズ(4)
- 都市大気汚染の解明へのアプローチ研究ノート
- INSTAC計画に参加して海外出張報告等
- 土の緩衝能−土の土としての機能−経常研究の紹介
- Duke大学での研究生活海外からの便り
- 土壌生態系への重金属の影響研究ノート
- 主要人事異動
- 編集後記