「国立環境研究所『災害環境研究』報告交流会」
開催報告
【行事報告】
福島支部準備室
国立環境研究所では、これまで福島の復興・再生に向けた様々な災害環境研究を行ってまいりました。今後は、より一層現地に根ざした調査研究活動に重点を置くため、福島県が現在整備を進めている福島県環境創造センター内に、研究所の福島支部を平成28年度に開設する予定です。2年後の福島支部開設に向けたプレイベントとして、去る3月9日(日)に環境省、福島県、郡山市、南相馬市、三春町、田村市の後援を得て、郡山市民交流プラザ(福島県郡山市)において、国立環境研究所「災害環境研究」報告交流会を開催しました。本報告交流会は、国立環境研究所がこれまで推進してきた災害環境研究の成果をご報告するとともに、今後の研究の方向性について県民の皆様や専門家の方々と意見交換をすることを目的としたものです。
当日は、3月とはいっても粉雪がちらほら舞い散る寒い日でしたが、会場の郡山市民交流プラザには、県内はもとより県外からも多くの方々に足をお運びいただき、盛況に開催することができました。ご来場くださった皆様には、心より感謝申し上げます。
午前の部は、まず当研究所住理事長の開会挨拶及びご来賓の方々のご挨拶の後、石飛企画部長が災害環境研究の全体像を説明しました。続いて「これまでの研究成果発表」に移り、大原地域環境研究センター長より「環境中の放射性物質の実態と動態」について、大迫資源循環・廃棄物研究センター長より「放射能汚染廃棄物の適正処理に向けた研究の取組み」について、それぞれ研究成果をご紹介しました。ご来場の皆様は熱心に聞き入られ、専門的な質疑応答も行われました。
昼の休憩時間には、会場を移してのポスターセッションを行いました。ポスターセッション会場には、災害環境研究を紹介した24枚のポスターが掲げられ、それぞれのポスターの担当研究者とご来場の皆様との間で、活発で有意義な意見交換を行うことができました。
午後の部では、まず、災害環境研究の3つのプログラムを統括する3人のプログラムリーダーから今後の研究方針をご説明した後、NPO法人「持続可能な社会をつくる元気ネット」崎田理事長の司会のもと、福島県、日本原子力研究開発機構、福島大学、相双NPOセンター、当研究所からのパネリスト(7名)を交えたパネルディスカッションを行いました。パネリストのみならず、ご来場者からも当研究所が福島で行う研究活動についての発言が相次ぎ、国立環境研究所への期待の大きさと同時に責任の重さを実感する有意義なディスカッションとなりました。
国立環境研究所では、今後ともこのような機会を設けて、県民の皆様の声をしっかりと受け止めて、福島県の着実な復興と未来世代のための環境創造に貢献してまいります。
目次
- 炭素循環を観測する
- 民間の旅客機を活用した二酸化炭素濃度の観測
- 宇宙からの温室効果ガスの高精度観測 -『いぶき』(GOSAT)プロジェクトの現状-
- 地球規模炭素循環研究におけるトップダウンアプローチ、 ボトムアップアプローチ
- ハイパースペクトルカメラの利用について
-
「独立行政法人国立環境研究所 公開シンポジウム2014」
『低炭素社会に向けて~温室効果ガス削減の取り組みと私たちの未来~』
開催のお知らせ - 平成25年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
- 「第33回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
- 「第29回全国環境研究所交流シンポジウム」報告
- 新刊紹介
- 表彰
- 人事異動
- 編集後記