2014年4月30日
「第29回全国環境研究所交流シンポジウム」報告
【行事報告】
企画部研究推進室

全国環境研究所交流シンポジウムは、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、第1回の昭和61年以来、毎年度の第4四半期に開催されているものです。第29回目となる今回は、「PM2.5の大気汚染動態と健康影響」と題し、平成26年2月13~14日に当研究所の大山記念ホールで開催され、両日の延べ数で47機関201名の参加がありました。
1日目は住理事長による開会挨拶にはじまり、引き続き大原地域環境研究センター長の「PM2.5の現状と課題」と題した基調講演がありました。その後、「PM2.5の測定と実態把握」に関するセッション、「緊急時環境調査検討:US EPA視察報告」の特別報告と続き、合計7つの講演が行われました。2日目は、吉川和身環境省環境研究技術室長の来賓挨拶の後、「PM2.5の発生源とその寄与評価」のセッションで4つの講演、「PM2.5の暴露評価と健康影響」のセッションで3つの講演が、それぞれ行われました。最後に、新田環境健康研究センター長を座長とした総合討論が行われ、原澤理事の閉会挨拶で終了しました。講演題目と発表者については下をご覧ください。
地方環境研究所と国立環境研究所の研究者が一堂に会し、研究や行政の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりました。ご講演いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。
《第29回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者》
セッション1:PM2.5の測定と動態把握 座長:菅田誠治
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「地環研と国環研による全国的な共同観測からみたPM2.5の状況」○長谷川就一(埼玉県環境科学国際センター)
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「2012年に西日本で観測されたPM2.5高濃度イベントの要因解析」○山本重一1、下原孝章1、濱村研吾1、山本勝彦2、日置正3、谷口延子3、山崎敬久4、長谷川就一5、三田村徳子6、長田健太郎7、田村圭8、家合浩明9、小林優太10、菅田誠治11、大原利眞11(1福岡県保健環境研究所、2大阪府立環境農林水産総合研究所、3京都府保健環境研究所、4富山県環境科学センター、5埼玉県環境科学国際センター、6滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、7山口県環境保健センター、8長崎県環境保健研究センター、9新潟県保健環境科学研究所、10島根県保健環境科学研究所、11国立環境研究所
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「2011年2月の広域的なPM2.5高濃度エピソードの要因推定」○山神真紀子1、佐川竜也2、中戸靖子3、長田健太郎4、米持真一5、山本勝彦3、山田大介6、芝和代7、山田克則8、菅田誠治9、大原利眞9、II型共同研究グループ(1名古屋市環境科学調査センター、2出雲保健所、3地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所、4山口県環境保健センター、5埼玉県環境科学国際センター、6川崎市環境局環境対策部、7愛媛県立衛生環境研究所、8福井県衛生環境研究センター、9国立環境研究所)
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「炭素同位体を用いたPM2.5中炭素の起源解析」○池盛文数1,2、山神真紀子1、早田葵2、本庄浩司2、肥後隼人3、木下誠4、中島大介5、兼保直樹6、南雅代7、中村俊夫7(1名古屋市環境科学調査センター、2名古屋大学大学院環境学研究科、3福岡市博多区保健福祉センター、4福岡市保健環境研究所、5国立環境研究所、6産業技術総合研究所、7名古屋大学年代測定総合研究センター)
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「九州・沖縄地区における微小粒子状物質の化学組成」○高見昭憲(国立環境研究所)
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「常時監視データから見た過去4年度のPM2.5広域分布状況」○清水厚(国立環境研究所)
特別報告 座長:鈴木規之
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「緊急時環境研究調査検討:US EPA視察報告」○中山祥嗣(国立環境研究所)
セッション2:PM2.5の発生源とその寄与評価 座長:田邊 潔
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「リセプターモデルを用いたPM2.5の発生源寄与解析」○飯島明宏(高崎経済大学、国立環境研究所客員研究員)
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「兵庫県におけるPM2.5の発生源同定」○中坪良平1、常友大資2、松村千里1、平木隆年1、齊藤勝美3、余田佳子4、島正之4(1ひょうご環境創造協会 兵庫県環境研究センター、2兵庫県中播磨県民局、3富士通クオリティ・ラボ・環境センター、4兵庫医科大学)
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「大気微小粒子に対する直噴ガソリン車など各種発生源の寄与」○伏見暁洋(国立環境研究所)
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「化学輸送モデルを用いたPM2.5の発生源解析の現状と課題」○森野悠1、茶谷聡2、嶋寺光3、森川多津子4、速水洋5、大原利眞1(1国立環境研究所、2豊田中央研究所、3大阪大学、4日本自動車研究所、5電力中央研究所)
セッション3:PM2.5の曝露評価と健康影響 座長:平野靖史郎
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「PM2.5の健康影響に関する実験的研究」○古山昭子、藤谷雄二、平野靖史郎(国立環境研究所)
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「PM2.5の健康影響の疫学的評価手法とその課題」○上田佳代、道川武紘、新田裕史(国立環境研究所)
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「国環研におけるPM2.5の健康影響に関する英学研究」○道川武紘、上田佳代、新田裕史(国立環境研究所)
総合討論 座長:新田裕史
目次
- 炭素循環を観測する
- 民間の旅客機を活用した二酸化炭素濃度の観測
- 宇宙からの温室効果ガスの高精度観測 -『いぶき』(GOSAT)プロジェクトの現状-
- 地球規模炭素循環研究におけるトップダウンアプローチ、 ボトムアップアプローチ
- ハイパースペクトルカメラの利用について
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「独立行政法人国立環境研究所 公開シンポジウム2014」
『低炭素社会に向けて~温室効果ガス削減の取り組みと私たちの未来~』
開催のお知らせ - 平成25年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
- 「第33回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
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「国立環境研究所『災害環境研究』報告交流会」
開催報告 - 新刊紹介
- 表彰
- 人事異動
- 編集後記
関連新着情報
関連研究報告書
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