2012年4月27日
編集後記
公の研究機関についての巻頭言を読み、ある映画を思い出しました。それは、難病を患う息子の治療法を両親が独学で考案した実話に基づいた話でした。その中で、ある物質が息子の治療薬となる可能性を見出した両親に、専門家が「他の患者への効果が不明」などと懐疑的な態度を取ります。私がこの映画を見たのは、公の研究に憧れて当研究所に採用された年のことで、時として個人に対して冷たいという公の研究の描かれ方に衝撃を受けました。また、先日読んだ新聞記事で、著名な研究者が「社会として何万分の1の死亡率というリスクを受け入れるか否かという議論は必要である。しかし、1人の身近な人間の死は何と受け入れがたいことか、ということも痛感する。」と語っていたことも思い出します。公の研究の責任と限界を自覚して、謙虚に研究していきたいと思います。
(M.K.)
目次
- 公の研究機関の役割【巻頭言】
- 湖沼での生態系機能と環境因子のリンケージ、“キチン”と診てみよう【シリーズ先導研究プログラムの紹介 : 『流域圏生態系研究プログラム』 から】
- まずはどこから守るのか? 自然環境保全の優先度マップを作る●特集 生物多様性● 【シリーズ重点研究プログラムの紹介 : 『生物多様性研究プログラム』 から】
- 絶滅危惧植物の分布推定 −“いない”という情報をどう扱う?−●特集 生物多様性● 【研究ノート】
- 愛知目標(愛知ターゲット)●特集 生物多様性● 【環境問題基礎知識】
- 「第27回全国環境研究所交流シンポジウム」報告【行事報告】
- 「第31回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告【行事報告】
- 平成23年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題
- 「独立行政法人 国立環境研究所 公開シンポジウム2012」開催のお知らせ
- 新刊紹介
- 表彰
- 人事異動
- 国立環境研究所ニュース31巻1号