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2019年4月25日

うみの見張り番
-植物プランクトンを使った海洋開発現場の水質監視

環境儀 No.72

国内外で注目される海底鉱物資源は、近い将来、
その開発が本格化するでしょう。
資源開発と環境保全の調和に向けて、
新しい環境影響評価手法の開発に取り組んでいます。

研究者の写真

 人間活動が海洋生態系に及ぼす影響は多岐に渡ります。河川を介した汚濁・汚染物質の流入、船舶を介した海洋汚染や海洋生物の越境移動、海底油田などからの大規模な油流出などが挙げられます。最近ではマイクロプラスチックによる海洋汚染が大きくクローズアップされていますが、これも人間による長年に亘る莫大な量のプラスチックの消費によるものです。

 本号では、うみの見張り番─植物プランクトンを使った海洋開発現場の水質監視─と題して、海底鉱物資源開発海域の環境保全のための取り組みについてご紹介します。私たちは、2014年から内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「次世代海洋資源調査技術 海のジパング計画」に参画して、環境影響の評価と生態系の保全を行うための技術開発に取り組んできました。海底鉱物資源開発を行う際には、海洋環境や生態系への影響を軽減するための緩和策を事前に提示することが国際的にも求められていますが、そのためには開発に伴う自然環境への影響を的確に評価、予測できることが前提となります。

 なぜ今、海底鉱物資源開発が必要とされているのか、こうした資源開発が海洋環境にどのような影響を及ぼし得るのか、そして海洋環境保全のために今私たちにできることは何か、国立環境研究所で行ってきた取り組みについてご紹介します。

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