2014年4月30日
国立環境研究所における「アオコの有毒物質に関する研究」のあゆみ
国立環境研究所では、環境中の有害物質の化学構造解析や高精度分析手法の開発に関する研究を行っています。ここでは、その中から、アオコの有毒物質に関するものについて、そのあゆみを紹介します。
-
有毒アオコが生産する毒物質の標識化とその生体影響作用機構に関する研究
(1990~1994年度)
重水素化標識化合物を用いたアオコ毒ミクロシスチンの総量分析手法を開発しました。 -
アジア地域の微生物研究ネットワークに関する研究
(1995~1997年度)
アジア地域で発生したアオコの有毒物質について構造解析および分析をしました。 -
アジアにおける水資源域の水質評価と有毒アオコ発生モニタリング手法の開発に関する研究
(2004~2006年度)
アジア地域の研究者に簡易分析手法を含むアオコ毒分析手法を伝授しました。 -
PP2Aを利用した藍藻毒分析キットの開発
(2007~2009年度)
PP2A を利用したアオコ毒ミクロシスチンのマイクロプレートアッセイキットを開発しました。 -
藍藻類が生産するミクロシスチンのモニタリング手法とその評価に関する研究
(2009~2011年度)
アオコ毒ミクロシスチンの安定同位体標識体の調製と高精度分析手法の開発をするとともにモニタリング手法の検討を行いました。また、ミクロシスチン同族体毎の毒性を評価し、ミクロシスチンによるリスク評価手法も検討しました。 -
微細藻類が生産する有毒物質ミクロシスチンのモニタリングに関する研究
(2012年度~)
安定同位体標識ミクロシスチンを用いた簡便・迅速・高精度なモニタリング手法の検討を行っています。
本号で紹介した研究は、以下の機関、スタッフにより実施されました(所属は当時、敬称略、順不同)
研究担当者
- 国立環境研究所佐野友春、彼谷邦光、白石不二雄、西川雅高、高木博夫、渡邉信、笠井文絵、広木幹也、河地正伸、今井章雄、松重一夫
- 国立医薬品食品衛生研究所西村哲治、清水久美子
- 地方環境研究所福岡県、沖縄県、宮城県、奈良県、佐賀県、千葉県
- 株式会社トロピカルテクノセンター
- ダンディー大学(イギリス)Geoffrey A. Codd
- カセタート大学(タイ)Wichien Yongmanitchal
- タイ科学技術研究所(タイ)Aparat Mahakhant
- 水生生物研究所(中国)劉永定