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2012年12月28日

全球水資源モデルとの統合を目的とした水需要モデル及び貿易モデルの開発と長期シナリオ分析への適用(特別研究)
平成21~23年度

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-104-2012

表紙
SR-104-2012 [19.1MB]

 発展途上国での人口増加や経済成長にともなって、今後、水利用が世界的に増加していくことが予想されています。その一方で、地球温暖化によって水資源に悪影響が及ぶことも懸念されています。日本は水の豊かな国である一方で、生産時に多くの水を使う農畜産物を大量に輸入しており、海外の水事情とも無縁ではありません。このように、世界各地の水不足の問題は、私たちが取り組むべき重要な課題の一つになっています。

 国立環境研究所はこれまで東京大学などと全球水資源モデルH08を共同開発してきました。また、CO2排出などの環境負荷を考慮した経済モデルの開発や、計量経済学的手法を使った消費者行動についてのモデリングの分野で大きな成果を上げてきました。

 この研究では、これらを融合することで(1)社会や経済の要素から工業用水、生活用水を推定するモデルの開発、(2)世界の水資源の偏在の緩和に役立つ農作物貿易を推定するモデルの開発と分析、(3)より効率的な水利用を促進するための政策分析、(4)統合的な21世紀の世界の水資源評価に取り組みました。本研究報告書が、世界の水不足の問題を克服していくための新たな取り組みの一歩になれば幸いです。

(地球環境研究センター 花崎 直太(編者))