表彰・人事異動
表彰
受賞者氏名:珠坪 一晃
受賞年月日:平成16年11月26日
賞の名称:第41回環境工学研究フォーラム優秀ポスター発表賞
受賞対象:低濃度有機性排水処理のメタン発酵処理特性
受賞者からひとこと:
日常生活や産業活動の結果排出される排水は,有機物濃度が低く,水温も15~20℃と低いことが知られています。これらの排水は,好気性微生物の働きを利用した,活性汚泥法等により処理されていますが,曝機動力に伴う電力消費は莫大であり(国内総電力消費の約0.7%),余剰汚泥の焼却にも多量の化石燃料が消費されています。本研究は,省・創エネルギー型の処理プロセスであるメタン発酵技術を,低温・低有機物濃度というメタン発酵技術の適用が困難な排水にまで適用しようというもので,嫌気性微生物の高密度凝集塊である生物膜(biofilm)の形成・維持技術の開発により,低有機物濃度排水の省・創エネルギー処理プロセス実現の可能性を示しました。低温・低有機物濃度条件下では,35℃に至適温度を持つメタン生成細菌の活性が低下し,また嫌気的な雰囲気を保ちにくくなります。我々は,種々の排水流動条件下,有機物負荷条件下で嫌気性生物膜の維持・形成に関する知見を収集することで,メタン発酵不適条件下においても,微生物の高密度保持を可能にする手法を見いだしました。今回の受賞を励みに,炭素循環型の新規水処理システムの開発を目指して研究を続けたいと思っております
人事異動
(平成17年3月31日付)
合志 陽一 | 任期満了 | 理事長 |
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森田 昌敏 | 定年退職 | 統括研究官 |
渡辺 正孝 | 定年退職 | 水土壌圏環境研究領域長 |
酒井 伸一 | 出向 | 国立大学法人京都大学環境保全センター教授(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター長) |
(平成17年4月1日付)
大塚柳太郎 | 任命 | 理事長(東京大学大学院医学系研究科・ 医学部教授) |
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木幡 邦男 | 昇任 | 水土壌圏環境研究領域長(東アジアの流域圏における生態系機能のモデル化と持続可能な環境管理プロジェクトグループ海域環境管理研究チーム総合研究官) |
〃 | 併任 | 水土壌圏環境研究領域水環境質研究室長 |
〃 | 併任 | 東アジアの流域圏における生態系機能のモデル化と持続可能な環境管理プロジェクトグループ海域環境管理研究チーム総合研究官 |
森口 祐一 | 昇任 | 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター長(社会環境システム研究領域資源管理研究室長) |
〃 | 併任 | 社会環境システム研究領域資源管理研究室長 |
〃 | 併任 | 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター有害廃棄物管理研究室長 |
〃 | 併任 | 大気中微小粒子状物質(PM2.5)・ディーゼル排気粒子(DEP)等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクトグループ交通公害防止研究チーム |
〃 | 併任解除 | 大気中微小粒子状物質(PM2.5)・ディーゼル排気粒子(DEP)等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクトグループ交通公害防止研究チーム総合研究官 |
米元 純三 | 配置換 | 内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループプロジェクトリーダー(内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループ健康影響研究チーム総合研究官) |
〃 | 併任 | 内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループ健康影響研究チーム総合研究官 |
高野 裕久 | 併任解除 | 内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループサブリーダー |
目次
- 危険な気候変動を回避できるか?巻頭言
- 温暖化対策税をめぐる議論−試算結果への批判に答えるシリーズ重点特別研究プロジェクト:「地球温暖化の影響評価と対策効果」から
- 人工衛星データを用いた極成層圏雲の解析シリーズ重点特別研究プロジェクト:「成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解析」から
- ダイオキシンによる生体影響−個体レベルから分子レベルまで−研究ノート
- トレーサーで見る中層大気中の物質輸送環境問題基礎知識
- 「第20回全国環境研究所交流シンポジウム」−生物指標・モニタリング−生物を用いて環境を測る−
- 「第24回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
- 「国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2005)」出展報告
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独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2005
『地球とくらしの環境学─あなたが知りたいこと,私たちがお伝えしたいこと─ 』 - 国立環境研究所「夏の大公開」の開催について
- 新刊紹介
- 編集後記
- 国立環境研究所ニュース24巻1号