「第24回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
松永 恒雄
地方環境研究所(以下,地環研)と国立環境研究所(以下,国環研)との協力関係をより一層深め,発展させることを目的として,「地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」が平成17年2月17日に国環研において開催された。第24回を迎えた今回は,地環研側から全国環境研協議会(全環研)の須藤隆一会長(埼玉県環境科学国際センター総長)をはじめ,副会長,支部長及び常任理事計13名(内代理3名),そして国環研側からは合志理事長 をはじめ幹部職員など13名の出席があった。
検討会では,まず国環研理事長,全環研会長,それに来賓として迎えた環境省総合環境政策局総務課環境研究技術室の齋藤眞室長から挨拶があった。引き続き,最初の議事として,地環研と国環研との連携の現状と今後の展開について西岡秀三理事から説明があった。さらに今回初めての試みとして,昨年度(第23回)の検討会における全環研からの要望事項のうち4件について,その後1年間の進捗のフォローアップ報告がなされた。その後,全環研からの要望事項9項目((1)環境関係の文献提供システム,(2)国環研と地環研の共同研究の推進,(3)共同研究にかかる予算措置,(4)廃棄物最終処分場の安定化 促進技術,(5)環境標準試料の整備・提供,(6)全国環境研究所交流シンポジウム,(7)危機発生時における環境測定,(8)湖沼の汚濁メカニズム解明のためのマニュアルの整備,(9)他分野の国立研究所との調整機能)について,国環研からの回答とそれらに対する率直な意見交換が行われた。最後に, 今年度に開始された地環研との共同研究の中で国環研と複数の地環研が連携して研究を実施している4件((1)海草藻場による海域再生研究,(2)廃棄物及び再生材の化学組成データベース作成,(3)関東地域大気汚染研究広域ネットワーク構想,(4)地表オゾン測定較正統一化)について,それらの実施の現状を各担当者が報告し,質疑応答がなされた。このように,今年度の検討会では,全環研からの要望事項のフォローアップ,さらに新たな展開を見せつつある共同研究の紹介等,今後の地環研との協力の方向性について,非常に示唆に富む議論が行われたと思われる。
翌日の見学会では,地球温暖化研究棟を始め,水環境実験施設,環境試料タイムカプセル棟や環境ホルモン総合研究棟を見学して頂いた。
目次
- 危険な気候変動を回避できるか?巻頭言
- 温暖化対策税をめぐる議論−試算結果への批判に答えるシリーズ重点特別研究プロジェクト:「地球温暖化の影響評価と対策効果」から
- 人工衛星データを用いた極成層圏雲の解析シリーズ重点特別研究プロジェクト:「成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解析」から
- ダイオキシンによる生体影響−個体レベルから分子レベルまで−研究ノート
- トレーサーで見る中層大気中の物質輸送環境問題基礎知識
- 「第20回全国環境研究所交流シンポジウム」−生物指標・モニタリング−生物を用いて環境を測る−
- 「国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2005)」出展報告
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独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2005
『地球とくらしの環境学─あなたが知りたいこと,私たちがお伝えしたいこと─ 』 - 国立環境研究所「夏の大公開」の開催について
- 新刊紹介
- 表彰・人事異動
- 編集後記
- 国立環境研究所ニュース24巻1号