2012年1月31日
藻類の系統保存
- 微細藻類と絶滅が危惧される藻類
環境儀 NO.43
自然界で重要な役割をはたしている藻類を収集し、培養株として系統保存しています。この培養株は研究材料として研究者に提供されます。また、種の多様性の保存という目的もあります。
国立環境研究所の微生物系統保存施設(NIESコレクション)には現在約430属、850種、3000株の藻類や原生動物が保存されています。
藻類は光合成による有機物の生産者として地球上で重要な役割をはたしているほか、物質の循環や有用物質の生産などにも深くかかわっています。現在約4万種が記載されていますが、自然界には30万種以上の藻類が存在すると推定されています。
国立環境研究所では、この藻類を収集し、培養株として系統保存しています。藻類コレクションの役割としては、藻類を永続的に維持し、いつでも同じ実験結果が得られることを担保すること、分類学や試験法などの基準・標準となる系統を提供すること、種の多様性を守るための域外保存などが挙げられます。
藻類の保存にあたっては、培養株の品質管理やデータベースの活用が今後の課題です。また、藻類の中には環境の急激な変化によって絶滅するものもあり、絶滅危惧種の保存も大きな課題となっています。
今号では、わが国の藻類保存プロジェクトの中核機関であるNIESコレクションについて、生物資源保存研究推進室長の笠井文絵さんにお話をうかがいました。
本研究に関する成果は以下のページで紹介されています。
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