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2022年4月28日

「第37回全国環境研究所交流シンポジウム」開催報告

【行事報告】

企画部研究推進室

 全国環境研究所交流シンポジウムは、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、第1回の昭和61年以来、毎年度の第4四半期に開催されているものです。第37回目となる今回は、「全国の環境研究から見える未来」と題し、令和4年2月16日及び17日にオンライン開催されました。当初は、対面とオンラインによるハイブリッド開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大が収まらないこともあり、残念ながら昨年度に引き続きオンライン(Zoom)のみによる開催となりました。参加は、アカウント数で470を越え、地方環境研究所については、217アカウントの参加がありました。オンラインということで、1アカウントから複数の視聴者があり、それを勘案すると更に多くの方々が視聴されたかと思われます。

 まず、木本理事長による開会挨拶があり、それに引き続いて1件の特別講演と20件の一般講演が行われました。特別講演は事前に行なったアンケート調査において関心の高かったものから選びました。講演題目と発表者については下をご覧ください。

 質疑についてはチャットを用いて受付け、各時間内に口頭にて回答頂きました。限られた時間内で活発な議論がなされ、それぞれの地域の環境問題に対する各地方環境研究所の取り組みについて多くの知見が共有されました。また、各時間内に回答しきれなかった質問に対しては、開催後に追加の回答としてホームページに掲載いたしました。

 最後に森口理事の閉会挨拶をもって終了いたしました。

 事後アンケートによると、オンライン開催となったことで普段参加出来ない地方環境研究所の研究者や、一般の方々も手軽に数多く参加できたことにご満足いただけたようで、今後新型コロナウイルス感染症が収まった後も、対面とオンラインのハイブリッド開催を求める声が数多くありました。

 そこで、次回こそはハイブリット形式での開催を見据えて、準備を進めて参ります。最後に、地方環境研究所と国立環境研究所の研究者が一堂に会し、地域環境研究の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりました。ご講演、ご参加いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。

《第37回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者》
*敬称略

【2月16日】

座長:肱岡 靖明(国立環境研究所)

特別講演

(1)「IPCC 第6次評価報告書にみる気候科学の現在地」
  江守 正多(国立環境研究所)

一般発表<気候変動適応>

(2)「埼玉県における気候変動対策の現状と課題」
  本城 慶多(埼玉県環境科学国際センター)
(3)「中部山岳域における1981~2015 年の気候変化の詳細解析」
  栗林 正俊(長野県環境保全研究所)*当日、発表中止となりました。
(4)「大阪府内の暑熱環境のモニタリングと影響評価について」
  高井雄一郎(地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所)

座長:中島 大介(国立環境研究所)

一般発表<緊急時の有害物>

(5)「福岡県保健環境研究所における緊急時環境調査への取り組み」
  古閑 豊和(福岡県保健環境研究所)
(6)「緊急時におけるリスク管理のための化学物質調査手法の活用」
  加藤 みか(公益財団法人東京都環境公社東京都環境科学研究所)
(7)「緊急時環境調査手法の開発と実装に向けた取り組み」
  中島 大介(国立環境研究所)

座長:鈴木 剛(国立環境研究所)

一般発表<プラスチック>

(8)「マイクロプラスチックに吸着した多環芳香族炭化水素類の光分解反応」
  野呂 和嗣(地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所)
(9)「下水および下水汚泥処理工程におけるマイクロプラスチックの挙動」
  中尾 賢志(大阪市立環境科学研究センター)
(10)「福岡県内河川におけるマイクロプラスチック調査」
  古賀 智子(福岡県保健環境研究所)
(11)「廃プラスチックのフロー把握等に基づく処理体制の構築に向けた調査研究について」
  小野 理(北海道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所)
(12)「河川プラスチックごみの排出実態把握と排出抑制対策に資する研究~進捗状況と今後
  の課題について」
  鈴木 剛(国立環境研究所)

【2月17日】

座長:菅田 誠治(国立環境研究所)

一般発表<大気汚染>

(13)「AI等を利用したオキシダント濃度予測への取組み」
  小田 祐一(静岡県環境衛生科学研究所)
(14)「地方環境研究所での大気シミュレーション活用について」
  山村 由貴(福岡県保健環境研究所)
(15)「降雨時の市街地排水中の硝酸イオン濃度の季節変化」
  横山 新紀(千葉県環境研究センター)
(16)「大気汚染シミュレーション支援システムの開発と今後」
  菅田 誠治(国立環境研究所)

座長:牧 秀明(国立環境研究所)

一般発表<海域・河川・湖沼・閉鎖的水域>

(17)「環境DNAを用いた魚類調査の実施とその活用について」
  長谷部勇太(神奈川県環境科学センター)
(18)「大阪湾海水の栄養塩と有機物分解速度について」
  鈴木 元治(公益財団法人ひょうご環境創造協会兵庫県環境研究センター)
(19)「干潟における有機物分解と窒素の遊離」
  宮崎 一 (公益財団法人ひょうご環境創造協会兵庫県環境研究センター)
(20)「降雨時の湿地におけるCOD、窒素、りんの浄化機能」
  横山 智子(千葉県環境研究センター)
(21)「サンゴ礁海域における赤土等堆積状況と生物の関係」
  座間味佳孝(沖縄県衛生環境研究所)
(22)「琵琶湖における易分解性・難分解性溶存有機物動態について」
  霜鳥 孝一(国立環境研究所)

詳しい内容は、予稿集全文(下記のURL)でご覧になれます。
https://tenbou.nies.go.jp/science/institute/region/joint_zkksympo2021.pdf

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