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2021年2月26日

三カ国の環境研究機関の発展的協力に向けて:
「第17回日韓中三カ国環境研究機関長会合(TPM17)」の開催報告

【行事報告】

芦名 秀一

本会議の様子の写真(NIES会議室)
写真1  本会議の様子(NIES会議室)

 国立環境研究所(NIES)は、韓国の国立環境科学院(NIER)及び中国環境科学研究院(CRAES)と共に「日韓中三カ国環境研究機関長会合(TPM)」を2004年から毎年開催しており、北東アジア地域をはじめとした様々な環境問題の解決に向けた研究協力の推進と、新たな協力の姿の議論を行っており、本年度は12月16日(水)に第17回のTPM(TPM17)を開催しました。当初は日本に各機関の代表者が集まっての開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて史上初めてのオンライン会議方式で実施することとなりました。

議論する渡辺理事長の写真
写真2 議論する渡辺理事長

 会議では始めに、NIESの渡辺知保理事長、NIERのChang Yoon Seok院長、CRAESの李海生(Li Haisheng)院長が開会挨拶を行い、いずれの機関長もCOVID-19の影響が引き続く中でもTPMが開催できたことを喜ぶとともに、各国の環境研究の観点でのCOVID-19に関する取り組みを紹介し、環境研究分野における三機関間協力の着実な進展や強化など今後のさらなる友好関係継続への期待を示しました。加えて、渡辺理事長はコロナ後のグリーンリカバリー(Green Recovery)や菅総理による2050年カーボンニュートラル宣言について言及し、さらに2021年度から開始するNIESの第5期中長期目標期間での新たな研究展開についても紹介しました。引き続いて行われた各機関のTPM16以降の研究活動の概況報告では、NIESからは森口理事が報告を行い、課題解決型研究プログラムの成果など、本年度の研究活動とその成果について報告をしました。

署名を終えた三機関長の写真
写真3 署名を終えた三機関長
(上段左:Chang院長、上段右:渡辺理事長、下段右:李院長)

 本年度の会合では、三機関による新たな共同研究のシーズを探るために、CRAESが主導して各機関の研究の進めかたや管理(マネジメント)システムに関する比較調査を実施した成果が報告され、今後のさらなる連携強化に向けた方向性として論文特集号の検討や研究者の相互訪問などが挙げられました。また、三機関の具体的な共同研究の可能性を有する分野として設定している潜在協力研究分野(Potential Research Area、PRA)の4つの分野(大気、水、気候変動及び環境保健)に加えて、新たな共同研究分野としてAIが提議され、現行PRAも含めてオンラインによる定期的なワークショップやフォーラムの開催を通して、交流を進展させていくことで合意されました。その後、これらの発表や議論を踏まえた共同声明へ渡辺理事長、Chang院長及び李院長がつくば、仁川、北京でそれぞれ署名しました。

 なお、本会合については、国立環境研究所ホームページのお知らせにも掲載しております。
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20210204/20210204.html


(あしな しゅういち、企画部国際室 室長)

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