2014年2月28日
木漏れ日便り
冬のあいだ、構内の木々はじっと寒さに耐えています。葉を落としてどれも同じように見える落葉樹も、よく見ると個性のある冬芽をつけています。サクラ(写真1)やクヌギ(写真2)では、芽鱗(がりん)と呼ばれる鱗片がたくさん重なって中の小さい葉を守っています。いっぽうムラサキシキブの冬芽(写真3)には芽鱗がなくむき出しですが、短い毛が密に生えて未熟な葉を守ります。コブシの芽(写真4)は芽鱗の外側が毛だらけです。イロハモミジ(写真5)の冬芽のあざやかな赤は紅葉のようです。なお、冬芽を作るのは落葉樹に限りません。寒さへの備えが必要なのは常緑樹も同じです。クスノキの仲間のタブノキ(写真6)の丸々とした芽も、たくさんの芽鱗をまとっています。
(竹中明夫)

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