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2012年12月28日

「地球環境モニタリングステーション波照間 20周年記念イベント」開催報告

【行事報告】

地球環境研究センター 町田敏暢、笹川基樹

 今年は地球環境モニタリングステーション波照間(波照間ステーション)の竣工から20年という節目の年となることから、地元の沖縄県八重山地方の方々に国立環境研究所(国環研)の活動を理解していただくとともに環境問題への関心を高めていただくことを目的として石垣島と波照間島において記念イベントを開催しました。

 2012年11月10日には石垣島において、「地球環境モニタリングステーション波照間20周年シンポジウム-八重山から地球環境の変動をとらえる-」と題したシンポジウムを実施しました。シンポジウムでは5件の口頭発表を行いました。前半の3件は国環研の向井人史、遠嶋康徳、横内陽子の各氏から波照間ステーションで捉えた地球規模での大気変動と波照間ならではの大気の特徴についての紹介があり(写真1)、後半の2件では石垣島地方気象台の中川慎治台長から八重山地方の気候変動、国環研の山野博哉氏から八重山地方のサンゴの状況と近年における変化といった地元の方々に身近な環境問題についての発表がありました。また、ポスター発表は国環研の他に環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター、石垣島地方気象台、沖縄県、竹富町、西表島エコツーリズム協会の各機関から八重山のサンゴ保護の実情や漂流ゴミの対策、自治体の環境への取り組みなど地元における環境活動についての発表がありました。シンポジウムには関係者も合わせて約60名の参加があり、翌日の地元紙の1面で報道されるなど、これまで波照間島以外ではほとんど知られていなかった国環研の研究活動について石垣島を中心とする八重山地方の方々に知っていただく良い機会となりました。

写真1
写真1 シンポジウムの様子

 波照間島では一般公開に先立って11月11日に島の住民の方々と意見交換会を実施しました。意見交換会では20年間の波照間ステーションの歴史を紹介するとともに、これまでお世話になった島民の皆さん、沖縄電力波照間事業所ならびに現地管理人の3名の方に感謝状を贈呈しました。

 波照間ステーションの一般公開は11月12日に実施しました。波照間島は周囲15kmほどの小さな島ですが、島民の皆さんにとって島の先端にあるステーションは気軽に行ける場所ではありません。今回の公開では島の中心にある公民館(はてるまふれあいセンター)にサテライト会場を設けてポスターの展示等を行うとともに、公民館とステーションの間で無料シャトルバスを運行しました。波照間ステーションでは観測装置ならびに観測成果の紹介(写真2)や観測タワーの見学を行いました。シャトルバスの効果もあって約100名の方に来ていただき、「いい経験だった」「こんなところがあるなんて初めて知った」などの意見が聞かれました。翌日にはNHKのニュースで取り上げられるなどの報道効果もあり、これまで波照間島の皆さんにとって「存在は知っているけど中で何をやっているのかは知らなかった」波照間ステーションを身近に感じていただけたのではないかと思っています。

写真2
写真2 ステーション一般公開の様子

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