ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

研究発表会・特別講演会報告

その他の報告

森田 昌敏

 環境月間の恒例となった国立環境研究所研究発表会を6月18日に,特別講演会を19日にセミナー委員会が主催して所内の大山ホール,中会議室で行った。

 6月18日の研究発表会では,午前に地球環境研究グループから2題,午後には地域環境研究グループから5題の計7題の口頭発表が行われた。また,今年の新しい趣向として,基盤研究部からの12題に及ぶポスターセッションが口頭発表の間を利用して中会議室で行われた。口頭発表においては大変理解しやすく工夫された発表が多かったが,講演者の熱演におされ質問が少なかったことが残念であった。ポスターセッションへの参加者が少ないのではという不安があったが,会場での討論の熱気の高さにそんな不安も吹き飛んでしまった。当日の全体の参加者は252名を数え,茨城はもとより,東京,神奈川,千葉,埼玉,栃木などからの参加者も多く,環境研究への関心の高さがうかがわれた。

 6月19日の特別講演会は,午後1時から大山ホールで日本人科学者として初めて宇宙実験を行った宇宙開発事業団の毛利衛氏を招待し,「宇宙からの地球環境観測」という演題で講演をいただいた。はじめに,宇宙に飛び立ってから,宇宙船内での生活や実験の様子,帰還するまでを約15分のビデオで紹介され,次に毛利さん自身の撮影による美しいスライドを映された。300kmの上空からの地球の環境がどのようにとらえられたか説明されるのを聞き,地球環境研究の重要性を最認識された方も多かったのではないかと思われた。研究者ばかりでなく小さな子供から高齢の方まで320人以上の聴衆が集まり盛況のうちに終了することができた。

 最後に両日の準備,受付,会場での案内等にご協力いただいた皆様に感謝致します。

(もりた まさとし,セミナー委員会委員長:化学環境部長)

研究発表会・特別講演会プログラム研究発表会

研究発表会 6月18日(金)

〔地球環境研究発表〕

オゾン層の総合的観測に向けて 中根英昭
熱帯林の生物学的多様性とその保全 可知直毅

〔特別研究発表〕
高度な浄化槽による水環境の改善 稲森悠平
都市域における高濃度大気汚染の予測と制御に関する研究 若松伸司
ディーゼル排気微粒子による喘息様病態発症に関する実験的研究 嵯峨井勝
揮発性有機塩素化合物による地下水汚染浄化技術の現状と課題 平田健正
廃棄物処理に伴うリスクとその評価手法 中杉修身

〔ポスターセッション〕
アオコの毒 彼谷邦光
幹線道路沿いに住む人々の交通公害についての意識調査 近藤美則
湖沼におけるピコプランクトンの生態 渡辺 信
コンピュータグラフィックスによる海洋気候データの画像表示 須賀伸介
湿原生態系の調査手法 岩熊敏夫
重金属の土壌微生物活性への影響 服部浩之
脳の細胞骨格蛋白質と神経毒 国本 学
飛行機観測による西太平洋地域の大気微量成分の分布調査 酒巻史郎
マクロファージは肺の中で何してる? 持立克身
摩周湖の水と底質 相馬光之
レーザーを用いた大気の遠隔計測 杉本伸夫
割れ目性岩盤の透水特性?単一割れ目について? 木村 強

特別講演 6月19日(土)
宇宙からの地球環境計測 毛利 衛(宇宙開発事業団)