2014年12月31日
未来につながる都市であるために
~資源とエネルギーを有効利用するしくみ~
環境儀 NO.55

多くの人々が都市に暮らすことは、モノや情報を共有して生活が豊かになるとともに、資源の消費を抑制できる可能性があります。しかし、資源消費を効率化する取り組みは不十分です。すでに発展を遂げた先進国の諸都市に加え、近年、途上国の都市も急速に拡大しており、その経済活動による地球への悪影響が増大しています。それにともない、都市の発展と、環境や資源の面での持続可能性を両立するしくみを作ることが急務となっています。
国立環境研究所では、都市における資源やエネルギーを効率的に利用する技術やしくみを考え、それによって資源の消費を抑え、環境への負荷を削減する研究に取り組んでいます。その鍵となるのは、住宅や商業地域と、産業地域との効率的な連携をはじめ、木材などのバイオマスを適切に利用する自然共生のしくみを整えることだと私たちは考えています。また、様々な資源や環境に与える影響を様々な角度から評価する指標づくりも行っています。
本号では、先進的な取り組みを行っている都市の事例とともに、最新の研究活動やその成果を紹介します。