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2012年4月17日

国立環境研究所特別研究成果報告書の公表について(お知らせ)

(筑波研究学園都市記者会、 環境省記者クラブ同時発表 )

平成24年4月17日(火)
独立行政法人国立環境研究所
企画部長 德田 博保 029-850-2302
環境情報部長   岸部 和美 029-850-2340
【課題代表研究者】
環境計測研究センター 横内 陽子 029-850-2549
【担当】
環境情報部  山口 和子 029-850-2343

国立環境研究所は、今般、特別研究課題の成果として次の報告書を刊行しましたので、お知らせします。

SR-95-2011 九州北部地域における光化学越境大気汚染の実態解明のための前駆体観測とモデル解析(特別研究):横内 陽子

1.報告書・研究成果の概要

 光化学オキシダントとは、工場や自動車の排気ガスなどに含まれる炭化水素と窒素酸化物の光化学反応によって発生するオゾンや他の酸化性物質のことを指し、1970年代に日本各地において深刻な健康問題を引き起こしました。その後、排気ガスの規制などが功を奏し、その発生数は減少していましたが、1985年頃から再び全国的に注意報発令数が増えています。2007年5月には、九州から西日本の広い範囲で高濃度の光化学オゾンが観測されて、大きな社会問題となりました(参考1)。この原因として、中国で排出されたオゾン前駆物質(オゾン生成の原因となる物質)の反応によって生成される光化学オゾンの越境輸送の影響が大きいことが示唆されています。しかしながら、越境汚染については、観測も限られており、科学的に不明な点が多々あります(参考2)。

 そこで、本研究では、中国大陸の影響を観測するのに適した立地である長崎県福江島において、光化学オゾン前駆物質である非メタン炭化水素類、窒素酸化物、および二次生成粒子の長期連続・集中観測をモデル解析と連携して実施しました。非メタン炭化水素については、ベンゼン、エタンなど個別の炭化水素組成を毎時間自動分析し、窒素酸化物については、一酸化窒素、二酸化窒素に加えて全窒素酸化物濃度を、粒子については主に二次反応生成物である硫酸塩、硝酸塩、有機物などの化学組成を連続測定しました。

 その結果、中国からの越境汚染気塊中で光化学反応が進んでいることを明らかに示す観測データが得られる一方、オゾンについては東アジア以外からの流入も多いこと等がモデル解析によって示されました。春季3~6月平均では、中国からの推定寄与率は、オゾンが26%、エチレンが23%、粒子状硫酸塩が83%、窒素化合物が62%に上りました。さらに、最近環境基準が制定されたPM2.5に対しても越境汚染の影響が非常に大きいことが明らかになりました。

 以上に加え、中国における前駆物質排出インベントリの検証、大気汚染予報システムの検証も行いました。

 本研究の成果は、今後の東アジアの大気環境管理や我が国のオゾン汚染の悪化防止を進めていく上で、重要な知見を提供するものと考えています。

(参考1)記者発表(平成19年5月21日)
2007年5月8、9日の広域的な光化学オキシダント汚染について
—国立環境研究所及び九州大学が数値シミュレーションによる再現に成功—

(参考2)国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第33号 「越境大気汚染の日本への影響-光化学オキシダント増加の謎」(平成 21年)

2.報告書の閲覧・入手について

本報告書は、以下で閲覧できます。

なお報告書の入手を希望される場合には、残部があれば頒布いたします(送料本人負担)。 下記へお問い合わせください。  

連絡先:環境情報部情報企画室出版普及係 
(TEL: 029-850-2343、E-mail:pub@nies.go.jp)

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