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科学的予測に基づく適応戦略の策定および適応実践に関する研究(令和 6年度)
Research to enhance adaptation strategies and practices based on scientific projections

研究課題コード
2125AA131
開始/終了年度
2021~2025年

研究概要

気候変動影響予測、適応計画、適応策実践との間に存在するギャップや阻害条件等を明らかにするとともに、それを改善するためのモデルや手法を開発する。具体的には、複数の分野についての気候変動影響予測を同一の気候シナリオを選択して横断的に実行可能なモデルを開発し、「どの適応策をいつまでに始める必要があるか」という問いに答えうる適応経路解析手法を開発する。このとき、所外の関連研究プロジェクトとも緊密に連携し、影響・適応情報の充実を目指す。また適応に関連する法制度等や施策間の相互作用(相乗/相殺効果、資源の競合など)、適応計画と実践のギャップ等を解析し、効果的な適応策実施への阻害要因を明らかにする。さらに安全保障・経済(貿易等)面の分析など国内外の気候変動影響が日本に与える影響についても検討する。
これらを通じて、科学的知見をより効果的に活用した適応戦略立案に貢献するとともに、得られた科学的知見やシステムをA-PLAT 及びAP-PLAT を活用して公表することにより、国内外の国・地方レベルの適応計画や適応策の策定、及びその効果的な実践を促進する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

本課題は以下の3つのPJで構成される。
PJ3-1:気候変動影響および適応策の分野間及び国際的な影響の解析
PJ3-2:自然生態系分野を考慮した気候変動適応策の実装に関する研究
PJ3-3:地域における気候変動適応推進における課題の解析

今年度の研究概要

・複数の分野の影響予測・適応策評価結果をもとに,影響項目の気候変動に対する感度解析や地域において適応が必要となる時期を判定する手法を開発する。またこれらに基づく適応経路解析手法の開発を開始する。
・農業用水の主要部分を占める水田灌漑に加え、用水需要の拡大が見込まれているが干ばつ害リスクのある畑地作物の灌漑用水も考慮し、日本の水資源利用の主要セクターである農業部門のモデル開発を拡充する。
・日本企業や日本人の生活を支える物流、サプライチェーン、製造過程に気候変動が及ぼす影響を貿易モデルを構築して分析する。緩和も研究対象として含め、企業の気候変動に対する資源利用のリスクを示す。
・国内版SSPシナリオを参照し、人口や土地利用シナリオを考慮してEbAを含む投入可能性のある適応策を抽出する。
・リスク管理に関する理論を発展させ、将来の不確実性を前提とした適応型意思決定理論を提案する。
・適応の実施を測るKPI指標(令和3年度公表予定)について都道府県・政令指定都市を対象としたアンケート調査を実施する。本アンケート調査は毎年1回のペースで継続し、実施する。
・気候変動脆弱性・気候リスクに関する指標等を地域のステークホルダー・ポリシーメーカーと共に検討し、気候リスクの定量化を行う。

課題代表者

真砂 佳史

  • 気候変動適応センター
    気候変動適応戦略研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 土木工学
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