公開シンポジウム2006報告
【研究所行事紹介】
国立環境研究所セミナー委員会
6月4日(日)に京都会場(シルクホール),6月18日(日)に東京会場(メルパルクホール)にて,国立環境研究所公開シンポジウム2006が開催されました。研究所の活動を幅広く社会に知っていただくことを目的としたシンポジウムも今年で9回目を迎え,今年は4月からの新体制のもとで,「アジアの環境と私たち-もう無関心ではいられない-」をテーマに,大塚柳太郎理事長による基調講演に引き続き,4題の講演,21題のポスターセッションを行いました。
京都会場から始まった今年のシンポジウムは,いずれも日曜日の午後の開催となりましたが,京都会場は355名(過去最高),東京会場は607名の参加を得ることができました。東京会場では前日の激しい雨が影響してか昨年より参加者数が減少しましたが,それでも講演会場,ポスター会場は大盛況でした。
今回はアジアの環境という広い視野からスケールの大きな話題4本を講演テーマに設定しました。アジアというテーマは,これまで来場された若い方々からの途上国の環境問題などを取り上げてもらいたいという要望を具現化したものです。今回のテーマは身近なものではなく,一般の方々があまり知らない世界について紹介するものであったことから,事前のリハーサルでも説明の工夫が必要となりました。講演者は時に5回も6回もリハーサルを重ね,所内レビューワーの厳しくも温かいコメントに応えるために奮闘しました。最初のリハーサルから考えると格段の進歩を遂げたおすすめ講演をご披露できたと講演者,セミナー委員会関係者一同充実感を持っています。
来場者からいただいたアンケート結果によると,京都,東京会場とも20歳代の参加者が連続して増加し,京都会場では他の年代に比べ20歳代の参加者割合が最も大きくなりました(約3割)。公開シンポの内容を若い方々に多く聞いていただきたい気持ちから,休日開催の導入に踏み切ったわけですが,早速にその効果が現れたかたちとなりました。
これまで東京のポスター会場などは,混雑しすぎている感もありましたが,今回は適当な余裕もあって,来場された方々にとってはいつもより快適に講演やパネル説明を聴くことができたのではないかと思います。質問応答も活発で,本研究所の30名を超える説明者がフル稼働で皆様の知的好奇心にお答えすることができました。昨年から,講演の結果をDVDビデオに収録しており,さらに広く一般の方々に成果を普及する予定です。ここでは講演内容について詳細に記載できませんが,このDVDを是非ともご覧いただき,またご活用いただければ幸いです。
これまで同様,講演及びポスターに用いた図表の掲載,並びにアンケートに書かれた質問に対する回答を研究所ホームページに掲載http://www.nies.go.jp/sympo/2006/index.htmlで行うこととしています。DVDのお申し込みについては近日中にホームページでお知らせします。
プログラム |
ポスターセッション(*) |
基調講演(大塚柳太郎 理事長) |
講演1 |
アジアを巡る私たちのごみ-日本とアジアで資源の循環を考える-(寺園 淳) |
講演2 |
国境を越える対流圏オゾン-グローバル化する大気汚染の現在と将来-(谷本浩志) |
講演3 |
「世界の屋根」チベット高原から地球温暖化を考える-草原はどのくらい炭素を蓄積しているか-(唐 艶鴻) |
講演4 |
マラリア再考(再興)-環境との関わり,日本への影響-(小野雅司) |
閉会挨拶(飯島孝 理事) |
司会 甲斐沼美紀子,山田正人 |
(*)ポスターセッション |